『25mm フルレンジスピーカー 新ZY8カスタム』
“再生周波数帯域が広ければ良い”
“金属ボディで重ければ良い”
“定格入力が高ければ良い”
実は良いスピーカーを選ぶ基準が間違いだらけです!失敗したくない方は 是非最後までお読み下さい。
貴重なお時間を使うことになりますが、当方の動画と合わせても10分ちょっとです。
■YouTube動画① 測定並びに導入経緯について
https://youtu.be/JbxRdLD4DhQ■YouTube動画② 試聴並びに寸法、配線方法など
https://youtu.be/Ccw82QoI1f0音の“沼”は楽しいが 恐ろしいです(^^)
人生は短い!もっと違うことにも使いましょう〜
では 本題です!
■1、再生周波数帯域が広いだけじゃ ダメです!
人生と一緒で 面白いかどうかは別にして、山あり谷ありでは歩みにくいものです。
スピーカーは音源を再現する為にあると考えた場合、低域から高域まで満遍なく我々に聞こえるよう鳴ろうと頑張ってくれます。
その為に フラットな特性が重要で、且つ広い領域を担当出来れば理想ですが、ツィーターやミッドレンジスピーカーの場合 どこまで低域を伸ばすのかを決めるのは『ハイパスフィルターHPF』です。
一見難しそうな横文字ですが スピーカー線にコンデンサーが直列で入った単純回路(一次フィルター)です。
重要なのはコンデンサーの容量で、ある程度ラベルの数字で分別できます。
3.3μF < 15μF < 33μF ハイパスフィルターHPFの場合、数字が大きい程低域は伸びます!因みに3μ3と書いてある場合は3.3μFです。
音を水道水と例えられるとして、フィルターは蛇口と考えると分かりやすいです。水道管に水が満ちていても 大きく捻ってあげない限り 欲しい分は出てきません。
スピーカーがインピーダンス4Ωの場合です。
3.3μF:≧12000Hz -6dB/oct.
15μF:≧2650Hz -6dB/oct.
33μF:≧1200Hz -6dB/oct.
-6dB/oct.とは1オクターブ毎、-6dBずつ音圧が下がって行くスロープの斜度を表します。
我々人間の可聴領域20000Hzを上限とした場合、3.3μFのHPFは12000Hz~20000Hzにスピーカーの再生域を制限していることに対し、33μFのHPFは1200Hz~20000Hzをほぼ減衰させずに鳴らせます。
小数点の位置が一桁異なるだけで、正に“雲泥の差”です!
もちろん無闇にカットオフ周波数を下げれば良いものではありません。使うスピーカーの限界を知ることが必須で、その為にインピーダンス特性や周波数特性の測定は欠かせません。
※動画では良い例、悪い例を共に実測しています。宜しければご確認下さい。
Q:どうして高音域担当のツィーターに低域の伸びを求める?
A:それは ドアスピーカーとの繋がりを良くし、一体感のある音を作る為に大事なポイントだからです。
一般的な車両はスピーカーがドアの比較的低い位置に付きます。左右対称にセンターコンソールに向いていて 足元で鳴ります。それが故に 音は下から鳴っていて、ダッシュボードよりも低い位置にボーカルがいるかのように ツィーターのない車両ほど聞こえてしまいます。
一般的なチューンアップツィーターを追加すると音像が上がり 一時は劇的に聞こえやすくなったと感じるものの、次第にドアスピーカーの存在が気になりだします。実に聴覚が鋭いほど感じやすく、音への探求心が強い方ほど直面しやすい問題です。
理由は簡単です。ドアスピーカーが再現しようと頑張って出した中高域が我々の耳に届かず、足もので反射音に打ち消され、或いは車両の分厚いマットに吸収されているからです。
ご存じの方も多い事実として 周波数Hzを表す数字は大きい程指向性が高く、ドアスピーカーを顔に向かせない限り ツィーターの低域を伸ばすか ミッドレンジスピーカーを足す以外 方法が無いようにさえ見え、AV Kansai 岩本代表の動画にたどり着き、『2wayよりも3wayの方が結局は安く仕上がる』のお言葉を耳にし スコーカーやら3wayやらと検討する方もいることでしょう。
ただ そもそも3wayの調整は難しく、成人男性こぶし大ほどのミッドレンジスピーカーをどうつける?がボトルネックで 足踏み状態は続きます。
DIYできる方は良いが そこまで時間とお金をかけたくない方におススメしたいのはツィーターとスコーカー良いところ取りのミッド・ハイです。
中でも“赤ちゃんこぶし大ぐらい”のこちら『25mmフルレンジスピーカー 新ZY8カスタム』はインストールしやすく、気軽にシステムアップできるアイテムと言えます。
■2、金属ボディで重くてもダメなスピーカーは ダメです!
スピーカーは時に1秒間数万回もの振動を空気に与え 音を出します。
確かにマウントが重ければ 慣性モーメントは増え 本領発揮できますが、音質を推し量る重要な値である“歪み率”はスピーカー自体が持つもので どうつけようと変わらないことは且つての測定で分かりました。
もっと言えば 安価なフェライトマグネットは大きくなりがちで 重いから鳴ってくれそうに見えますが、実は小さくても磁束強いネオジムマグネットの方が全体的に歪み率は低い傾向にあります。
『25mmフルレンジスピーカー 新ZY8カスタム』は従来品の2倍ほど大きいネオジムマグネットを採用してあります。
重要なのはしっかりとスピーカーまたはマウントを固定することです。
■3、定格入力が高ければ良いのは爆音仕様の外向きだけです!
車両電源であるDA12Vにはそもそも限界があります。50W以上の出力を持つパワーアンプは大概スイッチング電源が使われていて、ノイズも一緒に増幅されます。
内蔵アンプで耳が“キーン、キーン”と鳴るほどの大音量で音楽聴かない方は気にする必要がありません。
定格入力は連続使用で壊れないとされる限界点で 音割れしない境ではありません。
定格入力よりも能率の方が大事ですが メーカー独自に策定する基準にてテストを行うケースが多く、個人的に85dB以上であれば問題ないと思います。
以下が『25mmフルレンジスピーカー 新ZY8カスタム』のスペックです。
瞬間最大入力:100 W
定格入力:15 W
再生周波数帯域:333Hz~20kHz
出力音圧レベル:86dB
インピーダンス:4Ω
ボイスコイル:17mm
■お願い
輸入品につき 神経質の方はご遠慮下さい。