ストリートベストな乗り味を復活。サスペンションオーバーホールキットを設定。

ストリートスポーツサス・キットはロール量を決定するスプリングとロールスピードを決めるダンパーを組み合わせた構成です。もし、仮にダンパーが機能せずスプリングのみで車体を保持するとなると、ロール量こそ規制できますが、クルマが揺れ始めたら、ユサユサと動き続けてしまいます。
ダンパーの基本的な役割は、スプリングの振動を適切に収束させ、ロールやピッチングを抑制すること。ダンパー内部のピストンのオリフィス（ピストンに設けられた細い油路）を粘性あるオイルが通過する際に発生する抵抗により、スプリングが動き続ける運動エネルギーを熱エネルギーに変換。その熱を冷却し大気に放出するメカニズムでクルマの姿勢を安定させます。

それゆえに、ダンパー作動時の油温は、時に100℃近く高温になったり、また冷めたりを繰り返します。加えて、内部部品も摺動を繰り返すことで摩耗し、鉄粉などの不純物も混ざるため、オイルの粘性が徐々に失われ、減衰力の低下を招きます。

ですので、定期的なオイルと部品の交換が理想です。さすがにエンジンオイルのような頻度は現実的ではありませんが、良質な乗り味をキープする賞味期限は5年間、50000km走行が目安。近ごろ、少しフワフワ感を感じる。直進安定性が落ち着かない・・・といった症状が交換のサインです。劣化は徐々に進むため、毎日愛車に乗っているとその変化は分かりにくいかもしれませんが、ダンパーのリフレッシュで走りが蘇ったというインプレッションも多く寄せられています。

私たちのストリートスポーツサス・キットも発売から丸5年が経過し、当初からご装着されているユーザー皆様は、そろそろ乗り味の賞味期限を迎えるころかと存じます。ですので、この度、ダンパー1台分をセット化したオーバーホールキットを新設しました。装着中の現品をお預かりするオーバーホール作業より、費用や納期が明確にイメージしやすいのが特長です。

また、経年劣化による同時交換を推奨するマツダ純正部品のPDFファイルもダウンロードいただけます。併せて参考にしてみてください（部品番号はグレードなどにより異なるため、イラスト化しました）。
ストリートスポーツサス・キットは、内部パーツの材質変更などスペックには現れない微細な熟成を重ねています。最新バージョン・・・といったら、少し大袈裟かもしれませんが、サスペンションオーバーホールキットにより、私たちのストリートベストへ。さらなる人馬一体感が溢れる乗り味を、ご堪能いただけるはずです。