
ロッシーニ 歌劇 バビロニアのチーロ デッシー パラーチオ カルヴィ 1988.10.30 リッツィ サヴォーナ ライブ 美品 稀少盤 リブレット ハント盤
ロッシーニのバビロニアのチーロ/バビロニアのキュロスのライブ盤です。近年復活した“稀曲”で 、そののち音楽祭などで取り上げられる機会が増えた曲です。
初演は1812年3月。少年時代の習作を含めても5番目の作品。当時ロッシーニはファルサを連続して世に出していた時代で( この曲の後にも “絹のきざはし”“試金石”“なりゆき泥棒”“ブルスキーノ氏”が続く訳で)異色なセリアの成果に興味津々です。
いつもながら、すでに“ロッシーニの世界”が完成していて 聴いてびっくりします。どこかギクシャクとはしていても あちこちに後年の作品の面影が感じられて、オペラファンはすぐにニヤニヤするに違いありません。それを単に “後の萌芽”と考えていたのですが、そう言ってしまうと本末転倒で… 経験を積むほどに 整理され 的確に 如才なく曲を運ぶ様に変化はするものの 本質は変わらずこのままだったのではないか…との感想を改めて抱きました( 突然 賑やかな音楽が鳴り出したりするのは“セミラミデ”も同然で… )。“初期作”に違いないとは言え、“タンクレディ”“アルジェ”の一年前の作品ならば、相応の完成度はむしろ当然だと言えましょう。
主役が刑場に引かれていく場面の合唱などは 遠くヴェルディにまで影響を及ぼす様な音楽で、ロッシーニがイタリアオペラのある種の“起点”“転換点”に違いないことを ここでも思い知ります。
収録日は1988年10月30日。それ以前のライブ盤などが見当たらない所を見ると、これが近現代での真の蘇演だったのでは と思われる舞台です。当時の “ロッシーニ ルネッサンス”に乗じた上演だったのだろうと想像されますが、この後のライブ盤もすでに数組存在している模様で、“ロッシーニの極初期作” という物珍しさにとどまらない 曲自体の優秀さ 面白さが理解されます。
主役3人が良い出来です。デッシーを聴きたくて求めた品で、声も表現もピーク期に違いなく 期待通りの歌唱で満足でした。アミーラという役は いわゆる“烈女”で、その線を押し過ぎて ヴェルディ初期作のドラマティコ・ダジリータに傾いた歌唱になっていて、全体のスタイルからは 少しはみ出し気味ながら、ファンとしてはそれもまた結構。大アリアが2曲もある大変に良い役で、一曲目が合唱付で“チェネレントラのアリアフィナーレ”風、二曲目は“アルミーダの名アリア”風。共に完璧に歌い果せて さすがの成果だと思いました。
不覚にも タイトルロールを歌うガルヴィさんを知りませんでしたが、良い歌手で驚きました。慌ててネット検索をすると ヘンデルやヴィヴァルディでは相当な実績のある方で、これは応分の成果だとわかりました。他のロッシーニメゾの様に 大きなタメを作ったり 低音を強調したりしない分 アピール度は控え目ながら、不足のない見事な舞台で、観客も大喝采ですし ご本人も大満足の出来に違いないと思いました。パラーチオも声 技巧共に練達の出来。乾いた感じの軽い声質で 敵役の王様には不向きに思えますが、存在がめり込んでいないのは立派です。
デジタル録音らしいですが、こもったハッキリしない音で オンオフもありイタリアのライブ録音らしさが全開。…それでも 録音されて良かったと思われる記録です。
美品です。初出の折に雑誌の記事を見て知ってはいましたが、あっさりスルーして買い漏らしました。のちに都内を探して入手した品で、いつもの出品の様に 私が一時所有者の品ではありません。盤面はとても綺麗だと思います。プラケースに少コスレ ブックレットに少使用感あり。全体として良い状態だと思います。
複数のレーベルから発売されていた音源らしいですが これはハント盤。たぶんここが最初の発売かと思われます。リブレットが貴重です。
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