
イギリスの名窯 Derby(ダービー)社による、19世紀前半・ブルア期(Bloor period)のアンティークカップ&ソーサーです。
ブルア期は、ダービー磁器が最も華やかで、装飾性の高い作品を多く生み出した時代として知られています。本作は1820〜1840年代に最もよく見られる意匠です。
【作品の特徴】
・濃いコバルトブルー地に、厚みのある金彩装飾
・外周には幾何学的な金彩帯文様
・見込みには金彩の小葉(ローレル)文
・当時のリージェンシー〜帝政様式を反映したデザイン
いかにも 19世紀英国磁器らしい格調の高い意匠で、
現在でもコレクターに人気の高いタイプです。
【窯印】
カップ・ソーサー裏面に王冠マーク+交叉D(赤印) が確認できます。ダービー磁器の正式な窯印で、19世紀前半の製作を示すものです。
【サイズ(約)】
・カップ:口径 約9cm / 高さ 約5.5cm
・ソーサー:直径 約14.5cm /高さ 約3cm
(※素人採寸につき誤差はご容赦ください)
【コンディション】
・アンティーク品のため、金彩のスレ・摩耗あり
・製造・使用に伴う細かなスレ、経年感あり
・欠け、ヒビ、修復は見当たりません
約200年前の作品としては、全体的に良好なコンディションです。
※状態は写真をよくご確認ください。
【注意事項】
・本品はアンティーク(古美術品)である事をご理解の上ご購入ください。
【発送】
・緩衝材を使用し、丁寧に梱包して発送いたします
・破損防止のため、カップとソーサーは別包みで梱包します
(2026年 1月 24日 0時 51分 追加)補足及び詳細
① 窯・時代背景(ブルア期とは)
Derby Porcelain(ダービー磁器)
創業:18世紀中頃(ウィリアム・デューズベリー)
英国を代表する高級軟質磁器窯
ブルア期(Bloor Period)
年代:1806年〜1848年
ロバート・ブルア(Robert Bloor)が経営
ナポレオン戦争後の
**「帝政様式+リージェンシー様式」**が混在する時代
フランス(セーヴル)への強い対抗意識が反映された
濃厚コバルト+肉厚金彩が特徴
本作は 1820〜1840年代に最もよく見られる意匠です。
② 造形(フォーム)の評価
カップ
やや開いた碗形(Tea Bowlに近い)
高台が低く、胴が張る典型的ブルア期形状
ハンドルは直線的なスクエア断面
18世紀後期の「耳型」からの進化形
リージェンシー様式の影響
ソーサー
深めでリムが立つ
カップとの密接な造形的統一性あり
量産的ではなく、明確に上級ライン
③ 装飾意匠の詳細分析(非常に重要)
1. コバルトブルー地 × 金彩幾何学帯
外周の濃紺帯に施された金彩は:
連続楕円+点文(オーバル・アンド・ドット)
古典建築の フェストゥーン(花綱) を簡略化した意匠
フランス帝政様式(ナポレオン様式)の影響が顕著
これは ブルア期ダービーの代表的装飾語彙
2. 金彩の質
厚みがあり、やや赤味を帯びた金
摩耗しても下地が見えにくい
「金泥」ではなく 焼成金(burnished gilt)
最高級クラスの金彩
3. 見込みの金彩小葉文(スプレー)
ソーサー中央に放射状の 金彩リーフ(laurel)
月桂樹=
勝利
権威
王権
帝政・王室用意匠の定番
明確に フォーマル・テーブル用
④ バックスタンプ(窯印)について
王冠+交叉D(赤)
クラウン・オーバー・クロスド D
ダービー窯の公式マーク
赤色使用=19世紀前半の特徴
番号(例:17 / 27)
パターン番号またはペインター番号
販売時の在庫・管理番号
⑤ 格付け・美術史的位置づけ
時代格:19世紀前半(リージェンシー〜ヴィクトリア初期)
窯格:英国最上位(Coalport / Worcester / Derby 同列)
装飾格:ダービーの中でも上位
用途格:正式ティーサービス用
「コレクター向け実用アンティーク」
⑥ 総合結論
このカップ&ソーサーは:
本物の ダービー・ブルア期
19世紀前半の英国上流階級文化を体現
フランス帝政様式を英国的に昇華した名作
実用と鑑賞を両立する完成度
「英国磁器史を語れる、非常に良い標本」です。