貴重廃盤 Ralph Tresvant ラルフ トレスバント
It's Goin Down
中古盤
輸入盤
1990年にソロデビューしたRalph Tresvantの2nd。
前作ではJam & Lewisを中心として、Daryl SimmonsやKyle West、Timmy Gatlingら豪華な制作陣が揃い大ヒットしたが、なんと今作ではJam & Lewisの3曲を除いて残りはセルフプロデュースで仕上げられている。この意気込みは完全に裏目に出て、売上は前作に遥かに及ばず、音楽関係者からの評価も低いものだった。
確かにヒップホップを取り入れた攻撃的な曲やセクシーな曲が多く、Michael Jacksonのフォロワーとしてアイドル然とした振る舞いを期待したファンには期待はずれだったのかもしれない。しかし、そういった面を期待していない私のようなリスナーには珠玉の逸品である。前半から中盤にかけてのアップアンバーはどれもお見事で、前作を軽く凌駕した内容だと思うんだけどなぁ…。
(1)"Graveyard"から最高の出来で、Whodini"Friends"のドラムスとJames Brown"The Payback"のギターリフを引用したヒップホップ感溢れるダンスナンバー。後半のRalphによるラップは堂々たるもので、上手いかどうかは措いといて単純にかっこいい。
(2)"Shaky Ground"は不穏なベース音とピーヒャラしたシンセが支配するダークな曲で、その醸し出す雰囲気はウェッサイである。というのも、ジャムルイによるミネアポリス録音曲を除いたRalph制作曲は全て西海岸録音なのである。当時のウェッサイのムーブメントに影響されたことは間違いない。
(3)"Who's The Mack"はジャムルイ制作の1stシングル(R&Bチャート最高35位)。Marvin Gayeのサントラ曲をサンプリングした劇画風の曲で、曲名のシャウトをずっと引っ張り続ける珍しい展開。大衆受けはしなそうだが、曲の完成度は高い。続く(4)"It's Goin' Down"も珍しい曲。歌はフックのみで、残りは全てRalphのラップという、まるで90年代後半のラップ作品のような作品。
そして(5)"You'll Remember Me"はZapp"More Bounce To The Ounce"使いのウェッサイ・バンギンチューン!まさかこんなところでゴリゴリのウェッサイ曲に出会えるとは!文句なしの出来です。2ndシングルとなった(7)"When I Need Somebody"はJam & Lewis制作の傑作スムーズミディアム。アルバム中最も美しいナンバーで、前作のファンも間違いなく楽しめる1曲。Michael Jacksonの歌いそうな、というよりは2006年頃のNe-Yoが歌っていてもおかしくない曲調。
続くマイナー調の(8)"Sex Maniac"はIce Cubeが好みそうなトラックが特徴で、Ralphもフロウのような歌い方を魅せる。(9)"The Booty Affair"はシンプルなビート上でRalphがノリノリに歌い上げるこれも好曲。ここまでの(1)~(9)の流れはほとんど文句なし。一方でバラードはかなり地味。その中では(11)"Your Touch"が、気怠い空気感を好きな人にはオススメ。