
自宅保管の品です。中身は大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。画像にもありますように、7ページほどに連続して小さな折り目がございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
未解決事件 グリコ・森永事件捜査員300人の証言
NHKスペシャル取材班 (著)
警察はなぜ敗れたのか。
極秘捜査、キツネ目の男、子どもの声、
大津サービスエリア……
今なお謎に包まれた事件の「真相」に迫る!
「かい人21面相」に翻弄された警察。無念の言葉
「あと数秒早く赤にさえなっとったら。犯人にツキを与えてしもうた」
――犯人の車をギリギリまで追い詰めた元捜査員
「誰が何を言おうとも、この似顔絵には自信がある」
――「キツネ目の男」の似顔絵を描いた元捜査員
「元バーテンの話に、微物捜査のラインを絡ませれば……時効が立ちはだかった」
――滋賀県警の鑑識課に所属していた元捜査員
その男が振り向いた時、捜査員を恐怖が襲った。サングラスの奥に光る釣り上がった目──キツネ目の男だった。「Fがいた!職質したい!」。しかし、捜査本部は尾行を指示。男は姿を消し、犯人逮捕の最後のチャンスは潰えた。日本列島を震撼させた空前の劇場型犯罪。警察はなぜ敗れたのか。元捜査関係者たちが初めて重い口を開く。NHKスペシャル取材班が総力をあげて迫る未解決の「真相」。
目次
第1章 目撃者たちの告白
1.初動捜査のつまずき
2.兵庫県警――江崎グリコ社長誘拐事件
3.大阪府警――事情聴取と「不信」
第2章 かい人21面相と三つの現場
1.犯人に最も肉薄した瞬間――焼肉「大同門」の夜
2.キツネ目の男あらわる――丸大食品脅迫事件
3.最後のチャンス――ハウス食品脅迫事件
4.滋賀県警、知られざる極秘捜査
第3章 時効のその日まで
1.拡散する捜査――「B作戦」の真相
2.似顔絵捜査――キツネ目の男を追って
3.ブツ捜査――科学捜査の限界
4.微物捜査――時効さえなければ
5.捜査幹部はこう語る
――藤原享・元警察庁捜査一課長「失敗に学ぶ」
――四方修・元大阪府警本部長の「反論」
第4章 犯人は誰なのか?
1.27年ぶりに浮かぶ犯人像――音声テープ最新分析
2.壊れた警察の「見立て」
3.なぜ未解決に終わったのか
あとがき
付録 犯人からの脅迫状・挑戦状/グリコ・森永事件の年表
レビューより
さすが、NHKの取材力と思えるほど、丁寧かつ時間を掛けて、取材しています。読み応えがありました。
本書は主に警察関係者のインタビューが元になっていますが、事件の流れやテーマ毎に上手く構成されていてとても読みやすかったし、当時、精魂を使い果たすほど捜査に入れ込んだ男たちの未解決で時効という結果に対する無念さがひしひしと伝わって来ました。
本書はしきりにキツネ目の男に複数回遭遇する機会がありながら職務質問しなかったのは間違いだったのかにこだわって書かれていますが、職務質問してしまえば犯人側はトカゲの尻尾切りのように、キツネ目の男を置いて逃げてしまうだろうし、その瞬間では首謀者を押さえられるという乗るか反るかの状況判断をしたのが裏目に出てしまったわけだから、その点だけに固執してもあまり意味がないように思えます。