これはド傑作、全てのチェンバープログレ好きは要注目。1949年生まれ、英国はソールズベリー出身のアヴァンギャルドプログレ系マルチ管楽器奏者で、当初はフリーインプロヴィゼーション方面からのアプローチも重ねながら活動が続き、70年代にはヘンリーカウのオリジナルメンバーとして活躍した事で著名なティムホジキンソン。現在では現代作曲家としての活動が多く、ルーマニアのイアンクドゥミトレスクの専属アンサンブルでもあるハイペリオンへの参加を皮切りに、現代音楽方面でのアルバムも既に4枚以上のリリースがあるなど2019年以降は現代音楽フィールドでの活動が目立つほど。で、本作、こちらは1998年発のソロ名義作。オリジナルリリースは英国ReRメガコープからで、他国版や再発が無く現在ではやや入手困難になりつつある1枚。内容は謂わばティムホジキンソンが本格的に現代音楽のコンポジション方向へと進んでいった最初のアルバムでもある米国メガフォンからリリースされていた名盤、each in own thoughtsで掴んだであろう音楽的な成果を基軸にしてそこからさらにテクニカルに緻密に構成され、より複雑さを増した音響パラメータの扱いから結果としては1作目以上にアブストラクトな音像が立ち現れてもいて、とはいえそこだけに終始しない音響的な仕掛けがあるのは海千山千のロックシーンを潜り抜けてきたティム・ホジキンソンならではで、これは明らかにヘンリーカウやクリスカトラーとのThe Work、はたまたRIO系で培った音響テクスチャーを非常に上手く応用している印象。翻ってもしかしたらヘンリーカウに於ける核心部分を濃厚に受け継いでいるのはクリスカトラーやフレッドフリスでは無く、ティムホジキンソンだったというのが良く理解できるというか、より抽象度が増した暗黒ゴシックチェンバープログレとしての超一級品とも言える内容。演奏は各楽曲に於ける演奏はティムホジキンソン1人による演奏を多重録音で構成したもので、これに加えてヴァイオリン、チェロなどのゲスト演奏者が加わった布陣。使用インストゥルメントは記載によればクラリネット、バスクラリネット、チェロ、エレキギター、プレピアードヴィオラ、ハープシコード、金属板、プレピアードピアノを用いていて本作ではサンプラーは使用されておらず、アクースティック楽器によるな響きの特質に細心の注力で取り扱っているのも注目ポイント。に加えて特に際立つ点としては磁気テープを用いた電子音楽的なアプローチの楽曲も含まれていたり、通常の楽音に加えて特殊奏法によるアクースティックノイズ的な響きも頻繁に用いる場面が多く、この作風と重ねて言えばティム・ホジキンソンご自身もソリストとして参加しているハイペリオンアンサンブルでの演奏を彷彿とさせ、それは取りも直さずルーマニア現代音楽の異端派、イアンクドゥミトレスクにも近似する暗黒ヘヴィ級のアクースティクノイズな音響テクスチャー。TIM HODGKINSON-pragma(ReR)
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