
アサヒカメラ 2020年3月号●特集=写真の正義の話をしよう 合成と加工はどこまで許されるか
朝日新聞出版,26cm
写真の合成・レタッチは「悪」なのか? アサヒカメラ3月号が「どこまで許されるか」を徹底検証!
プロの写真家たちの合成・加工へのスタンスなど、充実の58ページ大特集!
「写真の合成と加工はどこまで許されるか」
これは、いま写真に関わる人にとって、
「正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題」となっています。
そこで、アサヒカメラ3月号では、「写真の正義の話をしよう」と銘打って、
この問題に正面から向き合う特集をお届けします。
デジタルカメラの誕生と進化によって、写真の世界は大きく広がりました。
カメラにできることが飛躍的に増え、撮影後にパソコン上で画像を処理することも容易になったのと同時に、SNSなどのインターネットを通じて誰でも簡単に発信できるようになりました。
必然的に、写真コンテストをはじめ、写真界全体に、画像処理を施された作品が急激に増え、
合成や加工についてどう判断するか、考えなくてはならない時代となったのです。
たとえば、2013年には、世界報道財団が主催するコンテストで、最終選考手前まで残った作品の約20%が、過度の加工が施されていたために失格となっています。
言うまでもなく、報道写真は写真の改ざんが許されない分野で、同財団からは彩度や色相の変更を含む画像処理の禁止など、厳格な応募規範が示されるに至りました。
近年は、日本の一般的な写真コンテストでも、合成や加工が施された作品が入賞すると不満の声が上がるようになりました。
コンテストで合成作品を認めている写真家や、合成作品を発表している写真家が、一般の愛好家や応募者からクレームを受けるケースも増えていると聞きます。
しかし、そもそも写真の歴史と合成や加工の歴史はイコールと言えるほどで、切っても切れない関係にあります。
つまり、写真にとってけっして「許されない」ものではないはずです。
では、どこまでが「許容範囲」なのでしょうか? 自ら作品を生み出し、時には審査をする立場にある写真家たちの考えを聞いてみました。
■「撮っておけば後で何とかなる」では作品のレベルはどんどん下がる――高砂淳二
■自然風景を写すには、ないものを足さない、あるものは消さない――中西敏貴
■違う場所で写した被写体を合成するのは、風景写真ではなく「フォトコラージュ」――宮武健仁
■写真の本質は「光画」なんです――下瀬信雄
■人の目をあざむくのはやめて正々堂々「合成」と明記――織作峰子
■ストレートな写真で合成写真を圧倒すればいいんですよ――中藤毅彦
■合成写真の良しあしは陳腐か否かだ!――横木安良夫
■姑息な手段としての合成やレタッチは悲しい――ハナブサ・リュウ
見出しだけを見ても、それぞれの写真哲学が伝わってきます。
意見にじっくりと向き合って、自分の考えやスタンスを考えるきっかけとしてみてはどうでしょうか。
併せて、合成と加工をめぐる世界や日本の歴史と現状を、技法に触れながら分析した記事や、
商業ポートレートに特有のレタッチテクニックの紹介など、充実の58ページ特集です。
同号では、ドローンを駆使した夜桜の撮影を行う米津光さんの同行取材記や、
写真の力を引き出すプリント方法を明かす記事に加えて、
コロナウイルスの影響を鑑みて残念ながら中止が決まったCP+2020で手に取れるはずだった新製品も掲載。
ニコン D6、富士フイルム X100V、キヤノンEOS Kiss X10i、
ライカM10モノクローム、オリンパス OM-D E-M1 MarkⅢなど、
誌面で多角的に紹介します。
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コンディション:付録欠品しています。本体概ね経年並程度の状態です
商品管理のため画像に付箋が映っている場合がございます。