
2020年
基本的に近所の郵便局から発送しますので、平日の発送になり、かつ、都合で月曜日か金曜日になることが多いです
(月曜日が休日だった場合はコンビニからの発送もあります)
また急な主張などで、すぐの発送が困難な場合、出品を一旦終了させる場合があります
以下 レーベルインフォのweb翻訳になります
-----------------------------------------
『L’Inattingible』で、デルフィーヌ・ドラの音楽は新たな色彩のパレットを駆使して展開する。これまで異国の言語や高度な発声技法を用いて歌ってきた彼女が、初めてフランス語のみを用いて歌い、またこれまでしばしば他の作家のテキストや詩に曲をつけてきた彼女が、本作では自らのテキストや断片を歌うことを自らに許可したことは、誰の目にも明らかだろう。 しかし、こうした形式的な豊かさを超えて、『L’Inattingible』を通して展開された新たな音楽的野心は、このアルバムの本質に見出される。以前のアルバムが即興演奏や即興的な作曲によって構想されていたとすれば、新作は、長きにわたる照合、書き直し、そして幾重にも変化していく過程を経て、最終的な形をとった。さらに、作曲プロセスは、テキスト、音、楽器の複雑なモンタージュを伴っている。キーボードがレコードの消えることのない肺であり続けるとしても、デルフィーヌの歌声に出会い、それが豊かな楽器編成に響き渡るのを聴くことはもはや珍しいことではない。そこでは、声と楽器が言語を創り出し、かつて聴いたことのない対話が展開される。 彼女の音楽の新たな魅力は、アルバムにアクセントを添える様々な参加要素にあるように思われる。それらは彼女の作品に独特の色彩を与えている。曲ごとに異なる構成を持つ30種類以上の楽器が、管楽器、弦楽器、電子楽器、様々なキーボード音、珍しい楽器、そしてあらゆる種類の不協和音とともに聴こえてくる。その中には、Aby Vulliamy のビオラ、アコーディオン、ミュージカルソー (Nalle、The One Ensemble...)、Adam Cadell のバイオリン、Susan Matthews のハーモニウム、Taralie Peterson のサックス (Spires That In The Sunset Rise)、Le Fruit Vert のアナログ シンセサイザー、Valrie Leclercq のパーカッションとフルート (Half Asleep)、Paulo Chagas のオーボエとクラリネット、Laura Naukkkarinen (Lau Nau)、Caity Shaffer (Olden Yolk)、Jackie McDowell の声、Tom James Scott の幽霊のようなピアノ、Sylvia Hallett の自転車の車輪またはハーディガーディ、Gayle Brogan の彫刻のような音 (Pefkin) などがあります。つまり、2000年代以降、フォークミュージックやサイケデリックミュージック、そして即興音楽や実験音楽の分野からインスピレーションを得ながら、音の領域を絶えず拡張し、実験を重ねてきたミュージシャンたちの集団である。 このレコードが、これらの多様な参加者の存在によってのみ成立し得たことを、ここで強調しておかなければならない。ちなみに、このアルバムの力強さのすべては、この「捉え難いもの」に形を与えるパラドックスにある。この「捉え難いもの」は、存在と不在の間を絶えず行き来する一連の行為を通してのみ、その存在を主張しているように見えるがゆえに、なおさら捉えどころがない。これらの音体は絶えず互いに擦れ合いながら、私たちが聴くにつれて、私たちにとって馴染み深くもあり、同時に異質でもある「別の」空間の輪郭を描き出す。このように、アルバム制作にこれほど多くのミュージシャンが参加していることから想像されるかもしれないが、アルバムのエネルギーは、不在を聴かせるという、絶えず更新され続ける能力にこそ宿っているのだ。この不在は、演奏されるのではなく、存在として作用する。それは、私たちの知覚の端に位置する、予測不可能な可能性に満ちた「未知の地平線」(horizon inconnu)のようなものだ。 「私たちには一度も現れたことのないものを、どう表現すればいいのか」と、デルフィーヌは「Loin(遠く)」と題された作品の中で自らに問いかける。もちろん、この問いに明確な答えはない。おそらく、変化の過程にある集団への信念だけが、あらゆる関わりを通して、すべての人々(演奏家と聴衆)が「埋もれた感覚」(sensations enfouies)を掘り起こすことを要求する。その感覚こそが、私たちが「l’inexplicable(説明できない)」の瀬戸際にあり続けるがゆえに、より一層魅力的な、他の生命の姿を垣間見ることを可能にするのかもしれない。 クレジット 2020年2月21日リリース