学名:Eriosyce wagenknechtii
=Eriosyce subgibbosa ssp. clavata var. wagenknechtii
=Neoporteria wagenknechtii
和名:エリオシケ・ワーゲンクネヒトイ、ワーゲンクネヒティ、幻竜玉
産地:イスロン, ラ・セレナ, チリ【KK110】: LA SERENA, ISLON, 400m
株状態:海外実生株
サイズ:写真参照
管理期間:約3年半
鉢:国産実験用磁器るつぼ(鉢底穴増設)
説明:
ベランダ整理のため、Eriosyce属(エリオシケ属)を出品します。本属は、国内では一部の種を除いて、なかなか入手難な種も多いかと思います。サボテンについては同梱対応しますので、取引メッセージでご連絡ください。
※今週でサボテン株の出品を一旦終了します。
本種は1965年にF. RitterによりNeoporteria wagenknechtiiとして新種記載され、その後にE. subgibbosaの亜種や変種に分類されたこともありましたが、現在は遺伝解析の結果から独立種Eriosyce wagenknechtiiとするのが主流のようです。
ただし、分類学上、非常にややこしい種の一つで、1994年にはF. KattermannによりE. subgibbosa ssp. clavata var. wagenknechtiiと整理されました。wagenknechtii自体は遺伝的に、むしろ非常に変異の大きいE. villosa(混乱玉)に近い種と判明したことから、Eriosyce wagenknechtiiとして完全な独立種となっています。
また、F. Ritterは本種の下に変種var. napinaを置いており、国内ではNeoporteria rapifera(羅卒玉)として出回っている種でして、元々は1959~1962年のH. Winterカタログに裸名Neoporteria rapifera【FR714】で掲載されていましたが、1963年にF. RitterはNeoporteria wagenknechtii var. napinaとして全く異なる学名で新種記載し、タイプ産地は【FR714】= CHOROS BAJOSとなります。ここついては1980年にF. Ritterが経緯を残しており、新種記載論文を投稿するにあたり友人のAlbert Buining(アルベルト・ブイニング)に原稿を送ったそうですが、勘違いで変種名の綴りが変わってしまったという伝達ミスだったそうです。ここはアナログ時代らしい行き違いかと感じます。
また、これとは別にPyrrhocactus wagenknechtiiという種もあります。こちらは種小名こそ同じですが、全くの別物で、現在E. jussieui(桃燻玉)のシノニムとなっています。これらの分類学的な混乱もあり、ただでさえ本種の株が少ないEU圏でも同定間違いが結構あり、真正のEriosyce wagenknechtiiを探すのは結構苦労します。
国内では上記に書いたように「羅卒玉」が比較的残されている一方で、本種は殆ど見かけません。栽培上も大きく変わりませんので、謎の一つとなります。
本種は旧Neoporteria系の種となりますが、他の種よりも伸長が弱いこともあり、姿がゴツイ印象で、鋭く直行した棘をイガグリやウニのように密生させます。また、花は旧Neoporteria属らしいショッキングピンクの煙突状の花になりますが、この中でも小型の部類となり、可愛い花を大量につけます。
本株は、【KK110】: LA SERENA, ISLON, 400mとの産地情報付きで、約3年半前に海外から入手して管理してきています。中型株で、なかなか良い密度でビッシリと短めの直行棘で覆われており、良形株かと思います。棘色は濁黄色〜明褐色タイプでとなります。