32.5×23㎝
全18丁
【題箋】なし
【内容】この本の購入時『前十五番歌合』とあったが、『群書類従』に収められているものとは別物だった。で、丁数が18丁、1丁裏表に一首づつ、つまり全体で三十六人、三十六首の歌が収められていることに気づく。ということは「三十六歌仙」の類いに違いない。
ネットで、藤原公任が「三十六歌仙」を選んだことを知り、その線で調べていくと『三十六人歌合』にたどり着いた。早稲田大学図書館蔵本の『三十六人歌合(巻物)』には、順序こそ少し違うが、同じ十首の歌が乗せられていた。
この歌合には、別名『入内御屏風和歌』とあり、『三十六人歌合』の次にその内容が続いている。だから、早稲田大学図書館蔵本は二つの「集」が合綴されたものといえよう。
早稲田大学図書館蔵本の一部【画像9・10参照】を載せておく。
【全貌】 sakura.ne.jp https://hyakuninisshu.sakura.ne.jp sanjurokkasen.htmlに依れば
三十六歌仙(藤原公任が編纂した)から『三十六人撰』に採用された三十六人の歌人の一覧です。
それで、この「三十六歌仙一覧」を土台に、出品本との比較を試た。
【因みに】
最初の数字は、出品本の「歌の順番」。次の数字は『三十六人撰』の順番(01~36)。
*印の歌は、『三十六人撰』と異なる「出品本」に記される歌。
十二首ある。つまり、3分の2の二十四首が同じと言うこと。
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柿本人麻呂
01-01 ほのぼのと 明石の浦の 朝霧に島がくれゆく 舟 をしぞ思ふ
山部赤人
06-02 和歌の浦に 潮満ちくれば 潟をなみ 葦べをさして 鶴鳴き渡わたる
猿丸太夫
11-03 をちこちの たづきもしらぬ 山中に おぼつかなくも 呼子鳥かな
*おく山に紅葉ふみわけなくしかのこゑきく時そ秋はかなしき
中納言家持
05-04 春の野に あさる雉子の 恋こひに おのがありかを そこと知 れつつ
小野小町
12-05 わびぬれば 身を浮き草の根を絶えて誘 ふ水あらば いなむとぞ思ふ
*色見えてうつろふものはよの中の人のこゝろの花にそ有ける
僧正遍昭
08-06 たらちねは かかれとてしも むばたまの 我が黒髪は なですやありけむ
在原業平朝臣
07-07 世の中なかに たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし
藤原敏行朝臣
23-08 秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる
伊勢
04-09 三輪の山 いかに待 ち見む 年経 とも 尋ぬる人も あらじと思 へば
素性法師
09-10 見渡せば柳桜をこきまぜて都ぞ春之らしきなりける
中納言兼輔
13-11 みじか夜の 更けゆくままに 高砂の 峰の松風 吹くかとぞ聞く
*人のおやの心はやみにあらねとも子をおもふみちにまよひぬるかな
源宗于朝臣
21-12 常盤なる 松のみどりも 春 くれば いまひとしほの 色まさりけり
凡河内躬恒
03-13 いづくとも 春の光は わかなくに まだみ吉野の 山は雪ふる
壬生忠岑
18-14 子の日ひする 野辺 に小松の なかりせば 千代 のためしに 何をひかまし
*有明のつれなきなみのわかれよりあかつきはかりうきものはなし
坂上是則
29-15 み吉野の 山のしら雪 つもるらし ふる里寒く なりまさるなり
紀友則
10-16 夕されば 佐保の川原の 川霧に 友まどはせる 千鳥鳴なくなり
*秋かせに初雁かねそきこゆかなかたか玉つさをかけてきつらん
藤原興風
27-17 たれをかも 知る人にせむ 高砂の 松もむかしの 友 ならなくに
*契りけむこゝそつらきたなはたのとしに一たひあふはあふかは
紀貫之
02-18 桜散ちる 木の下風は 寒からで 空に知られぬ 雪ぞ降りける
平兼盛
35-19 暮れてゆく 秋のかたみに おくものは わがもとゆひの 霜にぞありける
壬生忠見
34-20 焼かずとも 草は萌えなむ 春日野は ただ春の日に 任せたらなむ
*恋すてふわか名またきたちにけりひとしれすこそおもひそめしか
清原元輔
28-21 秋の野は はぎのにしきを ふるさとに 鹿の音ながら うつしてしかな
*をとなしの川とそつゐになかれいつるいはて物おもふ人のなみたは
権中納言敦忠
15-22 伊勢の海 千尋の浜に ひろふとも ここそ何 てふ かひかあるべき
*あひみての後のこゝろにくらへれはむかしは物をおもはさりけり
中納言朝忠
14-23 逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
源重之
20-24 吉野山 峰の白雪 いつ消えて 今朝 は霞の 立ちかはるらん
*かせをいたみ岩うつなみのをのれのみくたけて物をおもふころかな
大中臣能宣朝臣
33-25 千年まで かぎれる松も けふよりは 君がひかれて 万代や経む
藤原高光
16-26 かくばかり 経がたく見ゆる 世の中に うらやましくも すめる月かな
源公忠
17-27 行きやらで 山路暮らしつ 郭公 今一声の 聞かまほしさに
斎宮女御
19-28 琴の音に 峰 の松風 かよふらし いづれのをより しらべそめけむ
大中臣頼基
22-29 ひとふしに 千代をこめたる 杖なれば つくともつきじ 君がよはひは
源信明
24-30 恋ひしさは おなじ心に あらずとも 今よひの月を 君見ざらめや
*あらた夜の月と花とをおなしくはあはれしれらん人にみせはや
藤原清正
25-31 天つ風 ふけゐの浦に すむ鶴の などか雲井に 帰らざるべき
源順
26-32 水の面に照る月なみを 数ふれば 今宵ぞ秋の 最中なりける
藤原元真
30-33 咲きにけり 我が山里の 卯の花は 垣根に消えぬ 雪と見るまで
*夏草はしけりにけりなたまほこのみちゆき人もむすふはかりに
小大君
31-34 岩橋の 夜の契りも 絶えぬべし 明くるわびしき 葛城の神
藤原仲文
32-35 有明の 月の光を 待つほどに わが夜のいたく 更けにけるかな
中務
36-36 秋風の 吹くにつけても とはぬかな 荻の葉ならば 音はしてまし
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【刊期等】不明
※本体の囓り、虫食い、表紙の破れ、破損あり。
※全体的に、経年によるくすみ、汚れあり。
※経年による紙の劣化、変色、斑点状の染み、多数あり。
※梱包材の再利用に努めています。ご理解下さい。
※なお、落札頂いた商品は、郵送を基本としておりますので、土・日、休日・祝日の発送は致しておりません。あらかじめご承知おき下さい。