
自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので経年変化はございます。ご理解頂ける方に、ご検討をお願い致します。
破天荒な伝説で語り継がれる天才の素顔は誰よりも繊細でナイーブだった。貴重な資料で、芸術の神に挑んで散った生涯を炙り出す
内容説明
「座頭市」と豪快な勝新伝説で知られる勝新太郎。本書は映画製作者としての勝とその凄まじい現場をスタッフの証言を元に再現し、繊細すぎる実像を浮き彫りにする。純粋さが加速させる狂気のノンフィクション。
目次
第1章 神が天井から降りてくる―映像作家・勝新太郎(冬の海;演出風景の録音テープ ほか)
第2章 負けてたまるか―映画スター・勝新太郎の誕生(「御簾」の裏側;屈辱の映画デビュー ほか)
第3章 勝プロダクションの設立(勝と市の快進撃;座頭市のサービス精神 ほか)
第4章 オレは座頭市だ―『新・座頭市』(座頭市、テレビへ;勝新太郎一家 ほか)
第5章 神が降りてこない…(黒澤明からの使者;『影武者』順調なスタート ほか)
緒形拳はそんな役はしなくていい!と一喝
古畑任三郎の犯人役オファーを断る
カネのためにこんな映画に出れるか!!
宮沢りえ共演映画に頭抱え監督交代させ降りる
息子を人殺しにさせてしまったよ
鶴太郎演技プランに悩み生放送に穴空けさせる
よくこんな台本書いたな恥しくねえか!と放る
死に際の本番中、セリフを待ってると寝息が…
遂に玉緒が勝に激怒、あんさんに恥かかされましたわ!と喰ってかかった。「なにぃっ!?」
カネと時間が膨大になる勝に監督禁止令出る
黒澤明と勝新太郎の大喧嘩の一部始終
苦労して揃えた浪人役に、あやっぱりいらんな
セット完成後、座頭市はそんなことはしない
歩いている足の裏を撮ってくれ。「!??」
市川崑が勝に「タバコくわえてみて」「なんで?」そのまま帰宅、翌日から撮影にこない
刑事ドラマなのに全員小声で全く聞き取れない
幻のシナリオ、中森明菜聾唖女と二人旅、松田優作剣豪との決闘、忍者三木のり平との交流
台本にないコップの水を岩下志麻にぶっかけた
弟子の 松平健を主役に抜擢
ブルース・リーとの幻の共演
登場する方々
中村玉緒 若山富三郎 阪本順治 杵屋勝東治
つかこうへい 奥村利夫 雄大 片岡鶴太郎
陣内孝則 五社英雄 三島由紀夫 八千草薫
山口組 田岡一雄 室田日出男 川谷拓三
藤岡琢也 野村芳太郎 松本清張 岡田太郎
清水健太郎 山崎努 宇津井健 仲代達矢
新藤恵美 坂上二郎 大滝秀治 小池朝雄
三隅研次 井川比佐志 高倉健 萬屋錦之介
三船敏郎 市川雷蔵 岡本喜八 石原裕次郎
松方弘樹 長谷川一夫 有吉佐和子
原田美枝子 倍賞美津子 吉永小百合
田宮二郎ほか多数
レビューより
今まで勝新太郎と言えば、座頭市と薬物をパンツに隠して逮捕される豪快なオッサン、というイメージしかなかったので、こんなにモノ作りに命を削っていたなんて物凄く驚きでした。
きっかけはNHKアナザーストーリーの勝新太郎vs黒澤明を見てから勝さんを知りたくなりまで勝新太郎と言えば、座頭市と薬物をパンツに隠して逮捕される豪快ジジイ!というイメージしかなかったので、こんなにモノ作りに命を削っていたなんて驚きでした。きっかけはNHKアナザーストーリーの勝新太郎vs黒澤明という番組で勝さんに興味が湧きTwitterで呟いたところ、フォロアーさんからこの本を教えていただいた、という経緯です。影武者でなぜ『監督2人状態』になってしまうことを予測できながらも黒沢監督は勝さんにオファーを出し、勝さんはそれを受けたのか?がとても知りたかった、というのがこの本を読むときのモチベーションだったのですが、読み進んでいくうちに、もうそんな対決なんてどうでもよくなるくらい勝新太郎、という人間が愛しくて仕方なくなりました。勝さんを支える周りのスタッフもよくついて行ったなぁ。自分だったら胃に穴が空いて倒れちゃうよ、と思っていたら後半本当に倒れちゃった人もいて、それでも舞台の初日には病院抜け出して見に行っちゃったり。みんな勝さんを支えるスタッフであると同時に、勝さんの大ファンだったんだなーとしみじみ思いました。
勝新太郎の見方が劇的に変わる本
同じ著者の仲代達矢に関する新書が面白かったので読んでみた。 私の中で勝新太郎と言えば、マリファナ事件、黒澤明との対立と降板、 80年代に見た勝新太郎が監督した「座頭市」の酷い出来栄え…と 良いものは一つもなかった。 しかし、この本を読んで勝新太郎の見方は劇的に変わった。 多くのインタビューや資料をもとに、丁寧に描かれる勝新太郎像を見れば、 ある種の悲劇性を帯びた、一代の天才だったことがよくわかる。