【1】概要:
・1950年代のRFTの20cm口径フルレンジ=L2153 PBKを後面部分開放型エンクロージャーにセットしたフルレンジ部に、10cm口径ツィータ=LP554によるアドオンシステムを組み合わせた2Wayシステムのペアです。
・L 2158 PBフルレンジはシングルでも素晴らしい音ですが、中音のレベルが高い「かまぼこ型」で、かつ高音はサブコーンのためやや凹凸の大きい特性になります。
・従いまして、低域がよく出る特性に整え、かつ高域のあばれを抑えるイコライザを内蔵しています。
・これに滑らかな高域を再生可能なLP554をアドオンしました。
・この結果低域から広域までスムーズで広帯域なシステムが実現しました。
・特にバイオリンなどの高域を刺激音なく滑らかに再生していて素晴らしいです。
・ツィータをアドオン方式にしましたので低域からの影響を受けない澄んだ高域が得られています。
・また音場の広いスケールの大きな音になっています。
・主観ですがコンシューマユーズ(家庭用)ジャーマンビンテージとして最高レベルの音質、迫力のもののひとつ思います。
【2】システムの仕様:
・システムインピーダンス:6Ω
・ウーハー(フルレンジ):200mm口径、型式=L 2153 PBK
・ツィータ:100mm口径、型式=LP554
・ユニットの状態:良好
・再生可能周波数帯域:50~18000Hz
【3】エンクロージャー:
・型式:後面部分開放型
・後面にも音が拡散されますのでスケールが大きな音が得られています。
・サイズ:幅27.6cm、高さ38.6cm、奥行22.5cm(入力端子突起含む)
・材質:天地側面は25mm厚の天然木パイン集成材、バッフルはMDF、裏板は針葉樹系プライウッドです。
・板厚、重量が有りますので不要な雑音は抑え込まれ、深くクリアな低音が安定して出てきます。
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのウォールナットオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・サランネット:黒のジャージネットによる頑丈なサランネットが付属します。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子でYラグ、またはケーブルむき出し線が接続可能です。
・アドオンツィータ部とメインスピーカーとの接続詳細は下記を参照ください。https://geo80002002.livedoor.blog/archives/37046620.html
【4】音質
・以下は主観ですのでご承知おきください。
・一聴してコーンがストレス無しに自由に動いている生き生きした音であることが分かります。
・クラシックとして大きなホールで録音された1957年録音ですが極めて高品質のフィリックス・アーヨ+イ・ムジチの「四季」を試聴しました。
・バイオリン、チェロなどの倍音がきれいに再生されます。
・刺激的な音が出ない素晴らしい再生です。
・チェロとコントラバスが太く鳴りますので、音楽の重心が下がり重厚で優雅な雰囲気が十分すぎるほど出てきます。・マイル
・デーブブルーベックの「タイムアウト」は名演かつ名録音ですね。
・ジョーモレロの大口径バスドラの響きが余すとなく再生されています。
・ポールデスモンドのソフトですが高度なアドリブも素晴らしい音で再生されます。
・総じてアコースティックな音楽全般を透明感あふれる音で再生していると思います。
・点音源ですので位相特性が良く、大編成のオーケストラの再生においても、楽器の分離が良く、かつ奥行が良く出ます。
【5】ほか
・スタンドは含みません。
・マンスリーマガジン
https://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_439101.html