シャープの古いサーマルプリンタ MZ-1P17 です。以下のように内部点検と補修を行い、MZ-700で稼働する事を確認しています。
MZ-700本体をお持ちで実機で印刷を行ってみたい方、実機環境でプログラミングを楽しんでいる方は是非ご検討ください。
パソコン本体をお持ちでA4感熱紙をご用意頂ければ直ぐ使えるセットに仕上げています。
1)お渡しできるもの
・以下のセットとなります。
MZ-1P17本体、ACコード(互換品)、接続ケーブル(自家製)、技術資料・制御コード表(自家編纂資料)、
※印字テストのために写っている用紙等はセットに含みません。
※ACコードは互換品です。エージング中も使用しており、このままお渡しします。
※第二水準フォントROMは本体内に内蔵しています。
※印刷濃度を設定するスライダーはツマミが無くなっていますが、無くても全く困ることは無いと思います。
※接続ケーブルは自家製です。エージング中も使用しており、このままお渡しします。本ケーブルの詳細は以下に記載しました。
※写真の色合いが実機と少し異なる部分がありますが全て同一個体です。
・本体は以下の点検・補修作業を行っています。
樹脂筐体(上下)及び透明カバー部分の丸洗浄、
上面部分の熱変形と思われる凹凸部分のマイクロルーターによる研磨、
内部基板のホットメルトによる固定追加、
メカ部分に堆積したホコリの除去と一部シリコンスプレーによる潤滑化、ゴム足の追加交換、
・具体的な作業の詳細は以下となります。
樹脂筐体は黄ばみが少なめだったのですが外部汚損が酷かったので、基板とメカ部分は全て外してメラミンスポンジで水洗しました。
保管環境の悪さからか樹脂筐体には写真のように何カ所か、円筒型にへこんだ部分が見られました。
穴を埋めるほどでは無いと思いましたので、マイクロルーターで凸部分を丁寧に削り、目立たなくすることが出来ました。本体を見ている感じではあまり気がつかない小傷程度になったと思います。
結果、ほぼオリジナルの綺麗な状態に戻りました。
メカ部分にもホコリは堆積していましたので全面のホコリ・汚損グリスの除去と、一部、シリコンスプレーによる潤滑化を行いました。
外装はゴム足が1個無くなっていましたので、残1個も取り外し、同等サイズの互換品を貼り付けています。
各基板は比較的綺麗な状態で、電源やメイン基板は特段に汚損や液漏れの感じは見られませんでした。そのため基板はホコリ除去のみ行っています。
メイン基板は樹脂筐体側の固定部分の爪が折れていましたので、写真のように2箇所でホットメルトで固定しました。
このまま組み立てて約1ヶ月のエージングに入れています。
エージングは常時印刷する等は出来ませんので、一晩通電後に1行印刷する、という方法で、同梱ケーブルを使用して行いました。
・結果、手元で稼働するMZ-700を使用して、以下の機能を確認しています。
印字機能(漢字含む)、用紙保持・紙送り、レバー操作での用紙交換、
印刷濃度調整(調整は可能ですが、最も濃い状態が一番良さそうです)、
DIP SWの設定、操作ボタンの反応(セレクト/改頁/改行)、LEDの点灯、
※S-BASIC、HuBASIC、及びOh!MZ/Xで連載されていたS-OSのエディタアセンブラで印刷出来ることを確認しています。
2)セットの状況を記載します。
大きな傷がない綺麗な1台に仕上がりました。(程度問題ですが、小傷は多数ありますのでご了承ください)
MZ-1P17はMZ-700は対象機種には含まれていないのですが、MZ-1500のフォントセットを持ちますので、MZ-1500の設定(MZ-2モード)にすれば全キャラクタの印刷が可能となります。
ただしMZ-1500でも動作するはずですが当方に無いため、こちらは動作検証が出来ていません。
写真は本体のテスト印刷機能、及びFAX用A4ロール紙を使用したプログラムリストの印刷例です。
ロール紙を使えばこのような超長尺印刷出来ますが、少しずつずれてきますので、このような印刷には注意が必要です。
HuBASICでプログラムリストを印刷した際、REM分にグラフィックキャラクタがあるとピリオドに変換されて印刷されるようです。
CHR$関数で全てのキャラクタは印刷されることを確認していますので、これはBASICの動作上の問題かと思います。
接続ケーブルは市販部品を購入し当方で組み立てています。
写真のようにリボンケーブルを使い、片側はカードエッジコネクタに圧着、もう片側のアンフェノールコネクタ側は内部で1本ずつ半田付けを行っています。接続仕様は添付の技術資料を参照ください。
アンフェノール側はケーブルを折りたたんでビニールテープを巻き、緩まないように固定しています。
圧着コネクタ側は誤接続防止用キーがありませんので上下逆でもパソコン側には接続できてしまいます。そのため写真のように誤配線防止用に上側になる部分にテプラで「UPPER」と入れてあります。
また挿抜時の扱いやすさと端子処理のため、車載ハーネス用テープで端を巻いて固定しています。
このテープは強度的には大丈夫と思いますがこのような巻き方でどの程度持つのかよくわからないところはあります。もしほどけてくるようでしたら上からビニールテープを巻いていただけると良いと思います。
MZ-700との接続は、700本体背面の外部プリンタ用金属カバーをネジを外して取り外し、基板に直接差し込んでください。恐らくMZ-1500でも同じと思いますが未確認です。
ケーブル長は約1mで、プリンタを本体横に置いてちょうどいい程度の長さですが、カードエッジコネクタの嵌合力があまり高くないので、使用中に抜けないように注意ください。
また無理な挿抜を行うと圧着部分・半田付け部分(アンフェノールコネクタ内部)にストレスがかかり切れる可能性はありますので、挿抜時はケア頂けると長く使えると思います。
本体と内部ユニットのロット番号は以下となります。
- 本体 : 60184682
- 電源 : 060201465
マニュアルが無いと使いづらいと思いますので、ケーブル接続・Dip SW設定・制御コードを1枚にまとめた技術資料を作成しました。(B4 両面)
元々以前からMZ-700のオーバーホール用に自分で図面化したものですが、裏側に制御コード表(MZ-2モード)の概要をまとめてマニュアル代わりにしました。
制御コードは当時モノのBASICで印刷プログラミングを経験されている方なら理解頂けると思います。
またこれらのコードを意識しなくても普通にBASICやS-OSのアセンブラリスト、ROMモニタのPコマンド等で印刷出来ています。
資料の様子は写真でご確認ください。中身の一部を掲載しました。
ただし個人編集であり、全ての情報が確認済みとは言いがたいこと、誤記誤植があるかも知れないこと、ご理解願います。
もし漢字印刷を行ってみたい方には、本プリンタで出力した漢字コード表(JIS 第一水準・第二水準)を別途添付できますので、落札後にご連絡ください。
出力プログラムは当方で作成しました。
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元々1P17はカラー印刷も可能な熱転写プリンタですがインクカセットがもう手に入らないので、まだ手に入る感熱紙のみでの利用となります。
エミュレータをお使いの方には本機は必要ないかもしれませんが、本体のみでご利用の方には外部プリンタで使い勝手は非常に良くなると思います。
商品到着後、1週間以内で状態確認後、受け取り連絡をお願い致します。
返品は、梱包に問題があり商品破損がある場合、もしくは上記記載した動作確認部分が不動の場合にお受け致します。
当方ノークレームノーリターン出品ではありませんが、受け取り連絡を頂いた後、もしくは支払代金の入金後は返品お受けできませんのでご理解ください。
代品が無いため本体交換は出来ませんが受け取り後の動作に関する不明点などは、お取引終了後もある程度ご相談はお受け出来ます。
ただし、そもそも年代物なので、現時点では正常動作していますが、いつどのように壊れるかは分かりません。
十分なエージング期間を取りましたので簡単には壊れないと思いますが、もし短期間で本体故障した場合は別途ご相談とさせて頂きます。
また壊れ方により生じた本体以外の損害は担保出来ませんのでご理解ください。
エージング期間中はほぼ毎日通電稼働させていましたのでまず大丈夫とは思いますが、機械モノは適切な環境で保管し、時々でも使ってやることが必要かと思います。
では、よろしくお願い致します。
(2025年 2月 10日 14時 22分 追加)追記します。本機は以下のパソコンへの接続モードがあります。
モード1 MZ-3500,MZ-5500/6500(BASIC-3)
モード2 MZ-5500/6500(BASIC-1,2)
モード3 MZ-80B/2000/2200
モード4 汎用
モード5 X1/turbo
モード6 MZ-1500
モード7 MZ-80B/2000/2200
出荷時設定はモード6となりますがそれ以外への設定変更は同梱します技術資料でご覧頂けます。モード6以外の制御コード表は現時点で用意がありませんが必要でしたらご相談ください。
その場合、接続ケーブルは個別にご用意頂くことになります。
アンフェノール36ピンコネクタ側は半田付けしていますので分解して再利用は可能と思いますが、カードエッジコネクタ側は各機種用に探して交換頂くことになります。
各機種でのピン配置等は各機種での仕様を参照ください。(当方にはMZ-700の資料しかありません)
またX1,X1turboはプリンタインターフェースが本体にデフォルトで付いていますが、それ以外の機種でプリンタインターフェースが本体にない場合は、別途ご用意頂くことになります。