学名:Neochilenia kunzei
= Eriosyce kunzei
= Pyrrhocactus kunzei
= Echinocactus kunzei
≡ Eriosyce confinis
≡ Pyrrhocactus confinis
和名:ネオキレニア・クンツイ(= エリオシケ・クンツイ), 刺鯱玉、灰堡玉
産地:産地不明, チリ(Unknown, CHILE)
株状態:国内実生株
管理期間:約5年
鉢:国産磁器実験用るつぼ(底穴増設)
説明:
ベランダ整理のためEriosyce属(エリオシケ属)を出しています。本属は、国内では一部の種を除いて、なかなか入手難な種も多いかと思います。サボテンについては同梱対応しますので、取引メッセージでご連絡ください。
※今週でサボテン株の出品を一旦終了します。
本種は、長年に渡り分類学的な混乱をしてきた種の1つとなります。本種の学名は、どの地域の集団を指すかで古くから論争となっています。1846年にC. F. FosterがEchinocactus kunziiとして新種記載したのが最初の記録となり、産地名はCHILE産としか情報がありません。学名の意味はドイツの動物学・植物学者であったGustav Kunze(グスタフ・クンツ)に献名されています。一方で「生育地は冬季に薄っすら雪に覆われた」との記述を残しており、これが後に様々な憶測を呼ぶことになります。
その後、Neoporteria、Pyrrhocactus、Chilenia、Neochileniaに移属する見解を示されましたが、これらは概ね現在のE. eriosyzoides(COQUIMBO州山岳部)の事を指すと考えられてきました。一方で1980年にはF. RitterはCOPIAPO周辺産の集団をPyrrhocactus kunzeiとしました。また、同時に東方のMONTE AMARGOの低地集団を新種Pyrrhocactus confinisとしました。
1994年にF. KattermannはF. Ritter説とは真逆の古来の解釈を採用し、現在のE. eriosyzoidesをE. kunzeiとし、F. Ritter説のP. kunzeiはEriosyce confinisとしました。その根拠は「COPIAPO周辺は長期的に雪で覆われない」からとしました。
2000年を過ぎる頃には、D. Huntを主筆とする'New Cactus Lexicon'の編纂が始まりますが、この中でF. KattermannとR. Ferrymanの意見が分かれて大論争となった模様です。この中で、COPIAPOの積雪についても議論があり、当地は雪に定常的に覆われるとは書いておらず、またCOPIAPO周辺の山岳高地では毎年冠雪する事から、F. Ritterの仮説は間違ってはいないとしました。ただし、まだ根拠不明のため、kunzeiという学名は保留名として、使わない処理をして、E. confinisと E. eriosyzoidesを使用しています。
2019年にH. E. Walterは、COPIAPO周辺で冠雪が記録された事もあり、またEchinocactus kunzeiの元株を採集したE. Poppingの足取りから、COPIAPO周辺がタイプ産地の可能性が高いという推察をしました。現在はこの推察から、E. kunzei = COPIAPO周辺産として落ち着いています。つまり、このkunzei論争は、実に170年に渡って続いたという話になります。
この間にもサボテン市場には、様々な産地のkunzeiが出回ってきました。ただし、いわゆるkunzeiとeriosyzoidesは大きく形態が異なりますので、少なくとも開花株になれば特定は難しくありません。
本株はドイツ系統の種子からの国内実生株となり、約5年前に入手しています。地色が紫色で湾曲状の黒刺を密生させるタイプとなり、花色は桃色~明紅色となりますが、大株になると鮮やかな紅色になっていく傾向にあります。本種は成長が遅く、また一旦締め直しましたので、このサイズでも10年近くの古株となります。
<Eriosyce属について>
・南米のEriosyce属(エリオシケ属)は、もともとEriosyce, Islaya, Pyrrhocactus, Horridocactus, Neochilenia, Thelocephala, Chileorebutia, Neoporteria等に割れており、所属する種の移動も激しい状態でしたが、1994年F. Kattermannにより、これら全てをEriosyce属に統合する説が提唱されています。同じ種が色々な属名で売られているのは、このためです。現在までも、分類学的にはこの考え方は概ね支持されており、遺伝子解析の結果もこの概念を支持していますので、当面は分類学的にはEriosyce1属主義が続くでしょう。
・種レベルの同定も特徴が掴みづらく、札落ちした株の同定は苦労することもしばしば。開花しないと判然としないものが、かなりあります。残念ながら、国内外のナーセリーで売られている株にも、一定数誤同定が混ざっていますので、油断ができません。数年後に花を見て、同定が間違っていたことに気づくことも良くあります。
・分類学的な混乱も甚だしく、約800のシノニム(同物異名)があり、どの種がどの種のシノニムなのかを調べるのが一苦労で、網羅的な日本語の解説書は存在しません。このため各種の正体を調べようとすると、それなりに海外学術文献を読み解かないと、その実態が掴めません。また、栽培面でも気難しい種が多いことから、とっつきにくさがあるかと思いますし、国内でイマイチ流行らない理由の一つかもしれません。
・一方で、非常に多様な姿でありながら、上手に育てればシックでバランスの良い姿となり、大振りでありながら派手すぎない絶妙なカラーの花などが特筆に値するかと思います。同じ種内でも地域や個体によるバリエーションも多いことから、同地域に生育する大人気のCopiapoa属とは、また違った魅力があるかと思いますし、殆どが中小型なこともあり、日本の住宅事情にも優しいかと思います。
<栽培環境について>
・こちらは関東地方のマンションでの素人栽培となります。周年ベランダ管理が基本となり、成長期の春期〜初夏を除いて厳しい潅水としており、特に梅雨明け〜初秋の暑い時期や冬季は50%遮光下で無灌水管理としており、冬季の加温はしていません。このため、多少の葉焼けや先枝枯れのある場合があります。
・Eriosyce属は涼しい環境を好み、夏場の暑さや鉢内の蒸れに非常い弱い傾向にある一方で、寒さには非常に強く、冬期でも潅水すれば動きます。このため厳しい夏越しをメインに考え、日光で熱を蓄えにくい白色の磁器鉢を採用しています。また、時間をかけて締まった株にするために元肥無しの施肥は液肥のみとし、軽石や矢作砂等を多く混ぜ込んだ空間が多く水はけの良い土を採用しています。こちらの方法で問題なく旺盛に根は張り、鉢から抜けないレベルの根鉢になっていきます。なお、本属の生育地は世界有数の乾燥地帯ですので、小さい株でも数ヶ月は乾燥に耐えます。
<取引について>
・新規の方、低評価の方、悪い評価の多い方は、入札を取り消す場合があります。
・落札後のご連絡は48時間以内、ご入金(かんたん決済)は3日以内でお願いします。連絡をいただけない場合は予告なしに落札を取り消す場合があります。
・原則、ノークレーム・ノーリターンでお願いします。なお、不測の事態があった場合は、ご連絡下さい。
・仕事の都合上、出張等が多いため、スピーディな対応が難しい場合があります。
・こちらが非常識な方と判断した場合は、取引を停止させて頂きます。
<発送について>
・写真の鉢ごと発送予定です。抜き苗発送は致しません。
・発送はゆうパックの着払いのみとします。
・最近、郵送事故が多いように感じています。事故等がありましたら、ご連絡ください。可能な限り、対応します。
・申し訳ないのですが、仕事の都合上、発送は不定期ですので、ご了承の上で入札ください。
・梱包には細心の注意を払いますが、発送時に落葉・落枝、株抜け、土こぼれの可能性があります。
<注意事項>
・こちらの植物は、素人の管理株ですので、プロが栽培するような綺麗な株をお求めの方、神経質な方は入札をご遠慮ください。
・野外管理株ですので、虫の付着等の見落としがある可能性があります。
・種毎に異なる栽培のテクニックに関してはある程度は情報提供できますが、こちらはプロではありませんので、過剰な質問については対応できないことをご了承ください。
・PCやスマートフォン等のモニター環境により、色が異なって見えることがあります。
・生き物ですので、成長や落葉等、お届け時には画像と多少変わっている場合があります。
・不明点がありましたら、事前にご質問ください。