・書籍名 : Stapeliads of Southern Africa and Madagascar Vol. 1 & 2
・著者名 : Peter V. Bruyns
・出版社:Umdaus Press
・発行年:2005年
・言語:英語
・形式 : 2冊組ハードカバー, 215×304mm, 606ページ(2冊合計)
1セットだけ余部があるので出品します。
20年前の書籍ですが、非常に綺麗な状態で、Vol.2表紙カバーに小さな凹みが見られる程度となります。内部はページの外側に軽い紙焼けが見受けられる程度となります(写真参照)。
本書は多肉ガガイモ類のStapeliads(スタペリアッズ群。現キョウチクトウ科)の分類学的なマスターピースながら、世界的にも超珍本となります。
<書籍説明>
旧世界に広く分布するStapelia(スタペリア属)及びその周辺属をまとめてStapeliadsと(スタペリアッズ群)と称しますが、本書はアフリカ南部及びマダガスカルに分布するStapeliadsの分類学モノグラフとなります。大判ハードカバーで2冊組、600ページ越えの大型書籍となり、紙質も艶紙のためドシッと重たいセットとなります。本書内には、大量の写真と線画、電子顕微鏡写真、地図、検索表、文面による情報が詰め込まれています。
Stapeliadsは、市場では一部の種類が比較的良く見られますが、実は属数や種数が非常に多く、一方で、本属群は特に花が特徴的で、肉食性・腐肉食性のニクバエ類を臭いで寄せて産卵させ、幼虫(ウジ虫)に受粉させるという特殊な繁殖生態を持ちます。このためか、通常の植物とは異なるミステリアスな花の形態や色合いとなります。なお、本種群の総合的な分類学書となると、1937年のA.C.White & B.L.Sloaneによる'The Stapelieae, Vol.Ⅰ-Ⅲ'まで遡ることになります。
流石に、ここまで時間が経過すると、世界各地で新種発見や新属創設が相次ぎ、分類学的にも古くなり、混乱を極める事になります。本書執筆時となる2005年当時には解釈にもよりますが、Stapeliadsは世界から330種が知られていました。また、少し前まで本群はガガイモ科の一員として知られていましたが、近年発達した遺伝子解析技術による分類学研究により、現在はPachypodium(パキポディウム属)と一緒にキョウチクトウ科に分類される体系がメジャーとなりました(APGⅢ, 2009)。
本書は、アフリカ南部とマダガスカルに分布するStapeliads群20属182種の野生種の分類学モノグラフとなります。序章では、分類学史、各部位の形態的な特徴、花の複雑な構造と独特な受粉様式、生態生理、生育地環境、栽培方法について詳細に解説しています。また、属への検索表に加え、各属内の全種を同定するための検索表も完備しています。
特に各種のページでは、プロット地図やメッシュ地図、1,000枚以上の株写真(野外株、栽培株)が収録され、開花写真と花の線画がズラッと並び(特徴が花の形態に出やすい)、また種内の地域変異を手厚くカバーしています。更に、株の写真にはフィールドナンバー(PVBナンバー)または産地名の情報がフルで添えられています。また、分布、生育環境、形態、地域変異、分類学史まで詳しく解説がなされています。なお、本書は分類学がメインですので、園芸品種は一切扱っておりません。
著者は南アフリカ出身の多肉植物学者となるPeter V. Bruyns(ピーター・ブラインズ)となります。P. V. Bruynsはキョウチクトウ科の国際的な権威として知られていますが、かなり変わった経歴の持ち主となります。そもそもは英国オックスフォード大学において数学で博士号を修めており、そこから南アフリカに戻ってケープタウン大学で数学の講師を勤めています。ところが、幼少期からに多肉植物に魅了されており、同大学で植物学の修士も修め、同大学のハーバリウムの協力研究員を勤めていました。研究論文は数々の賞を獲り、2003年には南アフリカにおける植物学研究への貢献が称えられ、南アフリカ植物学会から「ボーラス・メダル」を授与されています。
本書は、P. V. Bruynsが25年に渡って、自身で歩き回ったフィールド調査と分類学的な考察の集大成となり、また大量の緻密な線画も収録されています。一方で、これだけ素晴らしい書籍であるにも関わらず、そもそもの出版数が少なかったようで、現在では古書市場でも稀にしか見つからない高額珍本となります。入手はそう簡単ではありませんので、多肉ガガイモ類がお好きな方にはオススメの1セットとなります。