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自宅保管の品です。中身は大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。画像にもありますように、巻末6ページほどに保管時の悪さからごく小さな折れがございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い致します
ビートルズ来日を実現させた男は、世界中のミュージシャンから愛と信頼を集めるプロモーターになった。初公開のビートルズ来日秘話と日本音楽史を変えた伝説の呼び屋を描くノンフィクション。
この秋、音楽チャートにビートルズの「イエロー・サブマリン」が登場して話題を呼んでいる。1969年発売のアルバムを最新技術を使って再録音した作品だが、根強いビートルズ人気が窺える。
そのビートルズは66年にたった1度だけ来日公演を行った。人気絶頂期に極東の島国での公演を実現させたのは、タツという愛称で海外のアーティストからも親しまれた日本人プロモーターだった。コンサートの企画・制作の最大手、キョードー東京やウドー音楽事務所の創立者であった故・永島達司氏である。
銀行員だった父親の仕事の関係で、子どもの頃に海外生活を体験した永島氏は、戦後、進駐軍との交流から「呼び屋」の世界に足を踏み入れた。詐欺師まがいの連中がうごめく興行界で、誠実で気配りに長けた彼は内外のアーティストやプロモーターの信頼を勝ち取っていった。日本の音楽イベント業界の礎を築いたその生涯記は1つの産業史としても興味深い。
レビューより
本書では高度成長期の好況を背景に一攫千金を目論んで外人タレントを招聘・興行する呼び屋の生態が生々しく描かれているのが印象的でした。
ただこの本の主人公・永島氏はガツガツ儲けるのではなく、招聘したスターやマネージャーとのコミュニケーションを大事にして末永い信頼関係を築いていくスタイルで成功した人物です。細かい心遣いに徹した紳士で、スターと一緒に表舞台にたって写真に写ったりすることを避け、あくまで黒子に徹しています。本の序盤では、こうした仕事ぶりが描かれ、呼び屋達がシノギを削って争ったビートルズ来日公演を実現した人物とはこういう人だったのかと思いを新たにしました。
そして、白眉は「ビートルズ台風」。
(迎え撃つ有史以来の大警備陣。狂乱に近いファンの興奮とそれを諫める大人達。やがてPTAと右翼がアンチビートルズを唱えて・・・・)
ここでは、遠くなった昭和の一頁が呼び屋の視点から鮮明に甦ってきます。
読んでみると、「伝説の呼び屋 永島達治」というサブタイトルが本当のメインテーマで、それが予想に反して素晴らしかった。プロモーター=ヤクザ稼業なイメージとは正反対の「真摯な日本男児」の生涯は読み物として充実し、また紹介されているエピソードもよくあるマニア向け研究本では、知りえないモノがたくさんあります。
●赤字興行となり窮地の永島氏に利益度外視で再来日を約束した義理堅いナットキングコール
●前金を現金で用意した永島氏に驚愕、全幅の信頼を寄せたブライアンエプスタイン
●73年来日公演中止時、日本領事館への付き添いを懇願してきた正装のミックジャガー
●ライバル呼び屋達のとんでも武勇伝(モハメッドアリ戦よりオリバー君巡業の方が儲かった話等)
そして、何より感動したのは、
●一部の親密な関係者のみ呼ばれたリンダ・マッカートニー葬儀でのポールのスピーチ
いい本です