浅草で「カラオケ＆ダンスホール」を経営している方が、一人でお店に入ってきた某（それがし）に、丁寧に接客して下さいました。「紳士的な品」と「柔らかい物腰」を有した８０代の方でした。その方は、中学卒業後、総社員６人の製造会社（工場）に就職し、懸命に働いたそうです。当時は、日本全体が貧しく、経済的理由で、高校には行けなかった「少年少女」が沢山いたのです。今は、中卒なんて、一部を除いて、ほぼ「不良の問題児」ですが、昔は、「磨けば光るダイヤの原石」がたくさんいたのです。こういった人たちが、各分野で活躍し、日本の繁栄を支えてきました。さて、その後、氏は、当時の社長に働きぶりを認められ、定時制の高校、定時制の大学に通わせてもらえることになりました。氏は、社長の期待に応える為にも、一生懸命勉強しました。社長も社員も、みんなで頑張ったからか、その後、会社はどんどん拡大し、な、な、なんと、最終的には、総社員６００人を超える大企業にまで成長したそうです。氏は、その会社の社長を任された事もあったようです。しかし、それにしても、氏は、偉そぶる事など全くなく、自然体な感じで余生を過ごされており、その生き様も、素晴らしかったです。氏のかつての目標は、東京に自分の家を持つ事だったそうですが、母親が亡くなる少し前に、土地は狭いものの、４階建ての家を建てる事が出来、そこに母親を呼び寄せ、最期を看取る事が出来たそうです。こういう人生も、「素敵な人生」ですねえ・・・・・。
さて、今回、皆様にご紹介します商品は、ブルーサファイア・タンザナイトに引けを取らないぐらいの美しさを持った「アイオライト」という宝石です。真上から見るとブルーですが、真横から見るとホワイトと言う、面白い鉱物的特徴を持っています。大変初歩的な事ではあるのですが、某が、宝石を集め始めた３０年近く前、タイのチャンタブリー（タイの宝石集積地）で宝石についていろいろ教えて下さった師匠筋の方（名優の六角さんに酷似）が、「いいか、ブルーサファイアを仕入れる時は、それに酷似しているカイヤナイトやアイオライトに騙されないように注意しないといけないんだよ…‥」と教えてくれました。今は、そういうレベルで間違う事はないですが、当時は、「へえ～、そうなんだあ～」と思ったものです。まあ、それぐらい美しいという事なのでしょう。この師匠は、とにかく「インクルージョンまみれの汚らしいルース」をとりつかれた様に集める変質者（？）でしたので、ほぼこの人から仕入れる事はなかったのですが、それでも、チャンタブリーに行くたびに、毎回、丁寧に接客し、もてなしてくれました。彼の夢は、日本に行って自分のルースを売る事でした。今でこそ、いろんなタイ人が、猫も杓子も、日本旅行に訪れますが、３０年近く前は、日本旅行など、夢のまた夢で、富裕層のタイ人しか来る事が出来ませんでした。某は、「日本に来たら、色々な場所を案内するからね～」と話していたのですが、やがて、某の興味が中南米に移り、１０年間ほど、タイに訪れなかった間に、その方は宝石屋をやめたのか、家が学習塾に様変わりしておりました。あまり健康そうな感じはしなかったので、もう、亡くなったのかもしれません。まあ、そんな暗い話はどうでもいいのですが、こういう高品質な「アイオライト」は、あの浅草の社長さんのように、将来、出世するような気が致します。硬さも、トルマリンぐらいございますし、美しさもありますし、タイの宝石市場でも、これぐらい大きくて高品質な「アイオライト」は、めったに見かけないですからねえ…‥。つまり、「硬さ」「美しさ」「希少性」を備えた宝石だという事です。ピンクジルコンなどと同じです。写真からお分かりの通り、ルースで鑑賞するだけではなく、宝飾品にしても、すごく綺麗だと思います。
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