西ドイツのTelefunken社が1960年前後に、自社の家庭用大型ラジオなどのために製造していた楕円フルレンジスピーカーユニット、2本セットです。サイズはおおよそ18cm x 26cmで、東西ドイツやヨーロッパ諸国で製造されていた大型の楕円スピーカーとして一番標準的なサイズです。西ドイツのIsophonというスピーカーユニットのメーカーがこのサイズのユニットの型名をP1826としていたことから、Isophon以外のメーカーのスピーカーでも1826というように呼ばれることもあります。私自身が使っていた際に端子に付けたケーブルはそのままの状態で発送いたします。
■主な仕様
磁気回路:金色の缶入りフェライト / 外磁型
外形:260 × 170mm
定格:約5Ω / 5W / 60~14kHz (ドイツの自作オーディオ系フォーラムでの推定値)
重さ:680 g
なお、本来は前面のフレームの周に沿って厚手のフェルトが貼られていたはずです。私の入手時、すでにそのフェルトが欠落しておりましたので、太い綿のロープを代わりに貼ってあります。
1950年代後半から60年代初めにかけて、Telefunkenをはじめとする西ドイツのメーカーは競うように家庭用の大型のラジオや、家具調のラジオコンソールを商品化していました。ラジオのように横長の筐体の中にできるだけ大きなスピーカーを搭載したい、という要請から生まれたのが独特の大型の楕円ユニットであるようです。
当時のTelefunkenは、上位機種から下位機種まで、Opus、Allegro、Gavotte、Jubilate、というように多彩いな家庭用ラジオのラインアップを揃えていましたが、本出品のTelefunkenの1826は、その中でも最上位機種であるOpusなどに主に使われていた高級スピーカーユニットになります。例外はあるものの、たとえばGavotteにはIsophonから調達したP1826が使われていたり、Jubilateではより小さな楕円フルレンジが使われたりしていたようです。
この当時のドイツのスピーカーユニットは、細かい仕様変更が大変多いのですが、Telefunkenの1826も例外ではなく、さまざまな磁気回路のものが存在します。当時のラジオの内部写真などを見ると、ドイツの人たちはあまりそういうことに頓着しなかったのか、磁気回路の異なる2つの1826が一つのラジオの中に入っていたこともあったようです。
本出品のユニットの磁気回路は、金色の金属缶の中に納められた外磁型のフェライトです。本出品のものにはないのですが、缶の部分にマグネット会社の刻印がある場合があり、このサイズのマグネットのサイズ表記は80となります。でも缶の直径が80mmというわけではなく、実際の直径は60mmくらいです。他にサイズ100のマグネットもあります。また、金属ケースの外側に白や赤の樹脂のカバーが付いている場合もあります。
音の話をしますが、あくまで私個人の主観的な感想として読み流してください。
Telefunkenの1826はさまざまな磁気回路のもの、少なくとも7種類の異なるバージョンを試してきましたが、基本的な音調はきちんと統一されていて、磁気回路が異なるからTeslaの音になる、と言うような違いは発生しません。頓着せずに混ぜて使うドイツ人の気持ちもわかります。
Tekefunkenの1826には業務用ユニット(Telefunken ELA 231)もあり、そのマグネットサイズは100です。ではやっぱり大きい100の方が音がいいのか、と言うと、きっとそう簡単な話ではなく、実際私自身の自室で今鳴っているのはサイズ80のユニットです。もちろんサイズ100のユニットにはいい面、音が太く逞しかったり、があります。一方、自室で比較的小音量で再生する際に、おおらかに鳴るか、開放的に鳴るか、と言う観点では80サイズのマグネットの方が向いているように感じています。
Teslaの音、と書きましたが、別途出品しているTesla 668(私の駄耳では有名な667と同じ音)とTelefunken 1826とでは、そもそも求めているものが違うのだな、と感じさせる音の差があります。Telefunkenの方が再生帯域が広く聴こえ、Teslaよりもどっしりとしたピラミッド型のバランスに聴こえます。同様のサイズの楕円フルレンジはヨーロッパのさまざまなメーカーが商品化していますが、再生帯域が広く聴こえる、と言う点ではTelefunkenかSiemensが頭抜けているようです。もちろん他のメーカーのユニットにはレンジの広さを捨ててこそ得られたと思われる特徴、声のしなやかさ、や、弦楽器の艶やかさ、などがあるわけですが、Telefunkenの1826には奇を衒わない正統派的な音の良さがあると思います。
写真でご覧いただけるように、Telefunken 1826ユニットのフレームは板金です。このようなスピーカーでは、板金の前面に厚手のフェルトなどが貼ってあり、バッフル板には背面から固定するのが標準的な取り付け方法となります。
取り付ける際に守っていただきたいのは、ネジを強く締めてバッフルにしっかり固定させようとしない、ということです。板金のフレームは元々精度を追求できる構造ではなく、しっかりバッフルに固定させようとするとフレームが逆に歪んでしまい、場合によってはボイスコイルタッチを生じさせることにも繋がります。ユニットをネジ止めする際には、ゴムやフェルトなどのワッシャを介してネジ止めし、ユニットを持ってずらそうとすると少しユニットが動く、という程度の緩さで取り付けるのが無難です。
緩くすると気密性などが気になる方もいらっしゃるかと思いますが、上で述べたOpusなど大型ラジオの筐体を見ると、背面板にはパンチ穴やスリットがたくさん開いていてキャビネットに気密性は一切ありません。スピーカーユニット側もキャビネットに気密性を期待しない設計になっていると思いますので、しっかり緩く付けて、スピーカーユニットにおおらかに鳴ってもらう、という気持ちで付き合っていただければと思います。
開放的な鳴りのよさ、というこのスピーカーの特徴を最もうまく引き出すことができるのは平面バッフル、次点で後面開放箱、かと思います。箱のサイズが20リットル程度以上あれば極端に低音が不足するようなことはなく、開放的でニュアンスに富んだ再生音を楽しめると思います。
写真をよくご覧いただき、是非ともよろしくご検討ください。
なお、円滑にお取り引きさせていただくため、恐れながらご入札いただいた方の過去の評価履歴を拝見させていただいております。落札者都合キャンセルがある方、悪い評価が3%程度以上ある方、気になる評価コメントがある方、などからのご入札については、お断りなくご入札を削除させていただく場合があります。よろしくご了承ください。
(2026年 3月 6日 0時 34分 追加)磁気回路についての説明を訂正させてください。
磁石の部分の高さが低いこと、web上の資料などでフェライトとされていること、などからアルニコ磁石ではなくフェライト磁石であることは間違いがないと思いますが、外磁式、と言うのはフェライトなら外磁だろうという私の思い込みからの勇足で、構造を見れば見るほどアルニコでよく見られるツボ型の内磁式であるような気がしてきました。もし内磁式のフェライトだとするとスピーカーの磁気回路としてはレアなはずです。
少し調べた範囲では確定情報が見つかりませんでしたので、外磁か内磁かは不明、と訂正させてください。