
ケルビーニ 歌劇 アリババ 未開封 廃盤 クラウス ガンツァローリ シュティッヒ=ランダル サントゥニオーネ モンタルソロ 1963.6.13. スカラ座 サンツォーニョ イタリア語歌唱 MYTO盤
ケルビーニの“アリババ”です。大変に珍しい録音で、空前はもちろん このままだと絶後になるかも知れない貴重な記録だろうと考えます。有名な“序曲”は 打楽器が賑やかな いわゆる“トルコ物”っぽい雰囲気で、全曲も“異国風”を加味して その延長線上を狙った作品なのだろうと察しられます。この録音自体は以前から知られていて、LP時代はMRFから出されていたはずだと記憶します。ある種“折紙付き”の演奏ということなるかと思われます。
一般には “メデア”や“担水夫”などで知られるケルビーニですが、劇場のレパートリーに定着しているというよりは 時折集中して演奏される作曲家と言えそうな気がします。近年では ムーティが好んで採り上げていて、多くの曲を蘇演したり 自身が設立したオケに“ケルビーニ”の名を冠したりと 絶大な心酔ぶりが窺われます。
ケルビーニには36曲のオペラ作品があるのだそうです。“ロドイスカ”1791年 “メデア”1797年 “担水夫”1800年と 主要曲は1800年頃までが多いのにくらべて、この曲はグッと下って1833年の作。頑な性格もあり途中で多少の曲折があって、それでも1822年からはパリ音楽院の院長を務め 作曲家としてはベートーヴェン・シューマン・ブラームスなどからも尊崇を受け、功なり名遂げたのちの最晩年の大作なのだそうです。“パリ・オペラ座での初演”というのが 作品の位置取りを物語っています。
有名な“アリババと40人の盗賊”を元にしたスクリーブの台本による“プロローグ付き4幕のトラジディーア・リリカ”です。これは様式上の呼名で それを直裁に“叙情悲劇”と訳してしまうと混乱を来す訳で、むしろ 童話に基づく“喜劇”と見る方が妥当だろうと感じます。“欲張りで頑固な富豪”と“その上前を撥ねたい役人”と“若い恋人達の色恋”が揃えば ほとんど“コメディア デラルテ”“オペラブッファ”の趣向そのままで、それを“アリババ”の世界に移した と見ても良いのではないかと考えます。何かにつけて興味の尽きない 魅力溢れる作品だと言えましょう。
トピックを整理して…
・ 1963年6月13日 スカラ座の舞台 原曲はフランス語だが当時の常としてイタリア語訳による上演 初演の頃以来の蘇演かもしれない
・ おそらく クラウスを前提とした選曲なのだろう こういう時のスカラ座の“慧眼”は恐ろしい程 老舗歌劇場の底力がまざまざ
・ ほかに ガンツァローリ モンタルソロ シュティッヒランダルと揃った鉄壁の布陣 これもスカラならでは
・ NHKイタオペでアイーダを歌ったサントゥニオーネが脇役で顔を出す デビューしたてだろう
・ネット検索によると “ケルビーニの最長 最大のオペラ”とのこと スケールや構えからも オベールやマイヤベーアの先駆なのが分かる
・ それにしては “CD2枚分”は短かすぎる 蘇演にあたり 冗長な部分もそうでない部分もバッサバッサと刈り込むのは いつものスカラ座流
・ 近年のテノール “ベンジャマン ベルネーム”のアリア集にナディールのアリアが収載されている “リストのペトラルカ”的に途中超高音のあるアクロバティックな曲で この役はまさにクラウス向きなのだろう
余談ですが… 人物の設定や配置 祝祭劇的な性格 作曲の経緯 全てにわたって “ファルスタッフ”との近似性が感じられます。 “フランス通のヴェルディはこの曲を知っていたのかも”…という楽しい想像がふくらみます。
あんなに出回っていたMYTO盤ですが、近年は品薄らしいです。どうしたのでしょうか。この品も現在は廃盤らしいです。
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