ジャネット・ジャクソンの最新アルバム「ALL FOR YOU」のナンバーを中心に、2002年2月16日にハワイ・ホノルルで行われた「オール・フォー・ユー・ワールド・ツアー」の模様を収録したライブ作品。過去の大ヒット曲の他、特典映像も収録する。
2002年2月16日、ホノルル（ハワイ）で行なわれた“オール・フォー・ユー・ツアー”最終日のステージをDVDで完全パッケージ。
イントロが流れた瞬間に会場が大歓声に包まれる<4>、いすに座ってじっくり歌うバラードメドレー<7>、ミッシー・エリオットがゲスト参加の<9>、ジェイ・Z「アイ・ジャスト・ウォナ・U」の名トラックをミックスさせた、アルバム『コントロール』からのダンスヒットメドレー<11>、お客さんを絞首台に縛り付けて濃密なラヴシーンを繰り広げる<13>、号砲の花火が鮮やかなラストナンバー<19>と、新旧のヒット曲を豪華なセットで披露。
楽屋裏での衣装着替えシーンでは、スーパースターとは思えない大胆なショットもあり、これまで以上に親しみを感じるのではないだろうか。DVD特典として、別会場で収録された「ウッド・ユー・マインド」の絞首台映像（5ステージ分収録）、インタビュー、フォトギャラリー付き。
“オール・フォー・ユー・ワールド・ツアー”の中から最終日の2002年2月16日ハワイ・アロハ・スタジアムで行われたステージの模様を完全収録した作品。「ALRIGHT」「RHYTHM NATION」ほか収録。
「私の名はジャネットよ、もしくはミス・ジャクソンと呼んで」とタンカを切って、スターダムにのしあがってもう早15年余り。本国ではもうジャクソンの名前も棄てたジャネットの実質最後となる世界ツアーの、ハワイにおける千秋楽公演を収録。『MTV ICON』などを観た限りでは、ジャネットは日本で思われている以上に米国のブラック・ショウビズ界で頂点を極めた存在らしく、その余裕と貫禄が結実した、まさに“芸能生活20周年記念公演”的な内容になっている。とにかく前回以上に曲構成が練られており、聴きどころを的確につなげる、まるでDJプレイのようなめくるめく展開が心憎い。時代を感じさせる初期のジャム&ルイス作のへヴィなファンクも、軽やかなフリー・ソウル風にリアレンジされるなど、「わかってる!」と思わず指でも鳴らしたくなるような的確さ。しかし最大の見どころはやはりジャネットの余裕ぶり。かつて彼女の実力では考えられなかったフェイクやアドリブの多用で、欠点とも言える細い声もグルーヴの中にうまく溶け込んでいて心地良い。衣装においても、あの肩パットギンギンだった「リズム・ネイション」がビニールのスポーティなコスチュームになっていて、動きもしなやかになっている。ハワイ公演の特別ゲスト、ミッシー・エリオットやカーリー・サイモン(ビデオ出演)など、曲者たちとの競演も難なくこなす姐御ぶりである。姐御といえばマドンナが頭に浮かぶが、最大の違いは、親和感で客と一体になってショウを運ぶ点で、たとえばもろマドンナ的ともいえる「Would You Mind」でのセックス・ショウでも、無名の客(ではないはずだが)を巻き込んできわどいパフォーマンスをするなど、あくまで参加型なのである。ちなみにこのシーンだけはほかに5パターン観られる特典付き。しかし特典よりもこの本編のショウだけで十分に傑作。

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