絶版希少本 シュウ・ウエムラ メイクアップ コレクション 1968-1995 写真集 作品集 写真解説
SHU UEMURA MODE MAKE-UP COLLECTION SINCE 1968
監修 シュウ・ウエムラ
編 シュウ・ウエムラ・アーティスト・チーム
女性モード社
1996年初版
95ページ
25x25x1cm
日本語・英語・フランス語
カラー・モノクロ
※絶版
<モードは掟を破る権利がある>
ハリウッドを原点に、東京で夢をつむぎ、理想を現実化させて、インターナショナルな存在となったメイクアップ・アーティスト、シュウ・ウエムラが1968年、最初のモードメイクアップ「フラギー」を発表してから数えて100作品目を記念し、
シュウ・ウエムラ自らがセレクトした32作品を取り上げて、メイク方法を解説、メイクアップについて自ら語った内容をまとめたもの。大変貴重な資料本です。
【目次】
プロロ-グ
シュウ ウエムラとの会話I
シュウ ウエムラ
モードメイクアップセレクション
モデルの吐息とともに
メイクアップは発見すること
モデルからの学習
基本の体得と離反
モードメイクアップの条件
メイクアップがお面にならないこと
創造と命名
単純の中にある変化・アンフィニ
メイクアップ・モデラージュ
女性が美しくなることこそエコロジーである
モードメイクアップヒストリィ 作品リスト(作品No. 年月 作品タイトル 掲載ページ)
シュウ ウエムラとの会話Ⅱ
あとがき
【序文より】
1968年 閉鎖的であったメイクアップの世界を自由に大きく広げる為に、シュウ ウエムラはモードメイクアップを産み出し、次々に斬新な試みに挑戦していった。
モードメイクアップの記念すべき処女作、「柄のあるアイシャドー゛フラギー″Flaggy (1968/5)」を彼は「メイクアップの自由宣言」と謳っているが、「服に柄があるように、アイシャドーにも柄があってもいいではないか。」という彼の言葉どおりに゛顔の着物″、゛顔のファッション″としてメイクアップの世界を展げたといっていい。
第2作「゛グラスマ″Glasma (1968/7)」ではメイクアップもさることながら、ネーミングの妙が冴える。グラスマは当時流行のアイグラス(眼鏡)をかけたグラマーガールからの造語であるが、「ハイライトの極限」と銘打ったこの作品はハイライトに白を使い、アイグラスのように目を囲むことで目の拡大を狙っている。白の持つ若々しさや未来的なイメージを利用した゛未来派グラマー″の表現だった。
シュウ ウエムラ モードメイクアップをその年の各シーズンに向けた新しい顔、即ちメイクアップの提案と捉えることは間違いではない…にも拘らず、それでは極めて不十分な答えなのである。シュウ ウエムラは云う
「より重要なのは、モードメイクアップのもっと奥にあるもの、即ち提案の背景にある主張、思想或いは哲学といったものなのです。」
第3作「゛ドゥ″Deux (1968/9)」。「新しいアイメイクアップ」という副題のこの作品はネーミングどおり゛2″にこだわっている実験的メイクアップだ。上下に太い2重のアイライン、2重のまつ毛、一見奇想天外なアイメイクアップは60年代を動かした新しい価値観と日本女性の二重まぶた願望への応答となっている。
提案は時として、行き過ぎた流れに対する批判を加えたり、教訓を意味したりもする。彼の「風変わりな教育」として試みられた第13作「゛スパンス″Spans (1970/9)」では毛先だけ、そして或るときは毛先に玉をためたりして使われていたマスカラを、まつ毛の根元から入れさせるためにアイラインの部分にマスカラブラシをそのまま押しあてて櫛型のラインをデザインすることによって、自然に正されることを期待したのだと云うし、最も美しい作品のひとつ第20作「゛リーニュ″Lignes (1972/6)」は、メイクアップでは最も難しい技術である線描を、面白く練習させるためにデザインした、いわば「練習曲(エチュード)」なのだ、と作品に込められた教育的意味を語っている。
また毛皮に目の眩む女性の貪欲さを諷刺した第18作「゛ファーフル″Furful (1971/12)」、極めて実用的な提案となっている「゛ツイン″Twin (1982/3)」、「゛アタッシュ″Attache (1986/3)」のような作品も当然、見逃すことはできない。
徹底して常に美しいものを好むが故に、彼は環境派であり、完璧主義者のひとりと云える。彼は、コマどり、イラスト、レイアウトのひとつひとつに微細な注意を怠らず、決して標準的になることを好まない。
修正メイクアップに無頓着な反面、長所の発見には積極的で、「なおすメイクアップより、いかすメイクアップを」、「透明感を持った化粧」などは1960年代に目立つ個性派たる彼の一連の発言だ。
70年代後半には、新しさばかりでなく、自然な美しさを愛する気持ちにかられ、以後の作品にその思いが込められるようになる。
「まず美しくつくる。その上で新しければ、まさに頂き。」と彼は云いきる。
誕生以来、常に新しい美を提案し続け、1995年春/夏「゛エアリィ″Airy~空気のように軽いメイクアップのすすめ~」で彼のモードメイクアップは100作目を迎えた。
【掲載作品】一部紹介 32作品掲載
フラギー FLAGGY
グラスマ GLASMA
ドゥ DOUX
アンブレラッシュ
ピーコック
ミミ
ブラント
ファーフル
リーニュ
レ・ジュー
ブルヤール
アンフィニ・プチ
カマイユ
フラーム
アトモスフェル
サマープレイ
シック
ファンタスティック
ツイン
シーズ
ノクチルカ
アタッシュ
スパニッシュ
フォルク・アフリカ
ミュリサージュ
エコーン
オプティク
パステルドーム
フー ダルティフィス
ギムレット
エヴァンタイユ
エアリィ