インドネシア・ランプン州の“超”豪華絢爛伝統花嫁衣裳セット
インドネシア文化宮(GBI)では、2007年2月3日~3月31日、『スマトラ島ランプン州伝統タピス刺繍展』を開催しました。スマトラ島の最南端に位置する、同州のタピスと呼ばれる伝統布にスポットを当てました。ランプン州には、インドネシアでもここだけという独特の刺繍文化があります。地元では「Sulaman Usus(腸刺繍)」と呼んでいます。別名「Usus Ayam(鶏の腸)」とも言われています。というのも、その形状が、確かにニワトリの腸に似ているのです。ちょっと不気味な命名ですが、刺繍そのものは、見事としか言いようのない、大変豪華で、それでいてとても都会的な感じがします。ウススは、その製作方法がとても変わっています。まずサテン地を幅2cmのヒモ状に切り、中に針金を入れて真っ直ぐに縫っていき、縫い終わったらサテン地をひっくり返すために、針金で端を引き抜きます。そして縫い目が見えないようにアイロンで伸ばすと、5mm幅ぐらいの細いヒモが完成します。このヒモを、あらかじめ作っておいた、丸や花などの幾何学模様が描かれた板の上に、模様に沿ってしつけ縫いしていきます。その後、ヒモとヒモとの間を職人さんが一針一針、絹糸を用いてクロス縫いでつなぎ一枚の布を完成させます。以前には、クッションカバーや扇子、枕カバー、ベッドカバーなどに、この刺繍技術が応用されていましたが、ようやく衣類にも使用されるようになってきました。
画像は、同展示会のシンボルとなったランプンの花嫁衣装の完全セットです。アイテムの選択には、ランプン州伝統工芸品協議会(Dekranasda Propinsi Lampung)自らがあたった、まさにランプン州を代表する、逸品揃いで構成されています。計20点から成ります。まず、上着は、化繊地の白いキャミソール、そしてUsus(ウスス)刺繍のクバヤ(着丈は約87cm、肩幅は約42cm、袖丈は約55cm)。さらに首に通して前後にかける長い布。これもウスス刺繍です(長さは前側が約90cm、後ろ側も約90cm。直径およそ2.5cmの金貨のイミテーションが両端に計4個ずつ付いています)。そして、よだれかけ風の衣装(幅は約22cm)。金糸のスレンダン(肩がけ)は長さが約170cmで幅が約14.5cm、両端に各々約9.5cmのフリンジ部があります。
下側は、金糸をふんだんに使用したサルン(腰巻)。裾部分には、直径約3cmの銀貨のイミテーションが計29枚付いています。サイズは、長さが約107cm、幅は約74cmの筒型です。重さはおよそ2kg。さらに二つのホックで留める赤いベルト(幅約6.8cm、長さ約74cm)が一本。
付属のパーツ類は:たすきがけする金色のネックレスが二本。三連飾りの金色のネックレスが一本。さらに金色の菱形ネックレスが一本。四角い箱型の金色のネックレスが一本。菱形の金色ピアスが計2個。二の腕に着ける金色の鳥形腕輪が計2個。そして太目の金色の腕輪も計2個。手首部分に着ける小さめの、金色の腕輪が計2個、そしてゴツゴツした感じの花柄腕輪も計2個。赤いヘアバンドが一本(長さは約75cmで、10個の花柄が付いています)。
セットの中で、なんと言っても豪華絢爛なものが冠です。最大横幅が約51cm、最大高が約37.5cm(部品を装着した場合。冠のみでは約22.5cm)。頭を入れる部分のサイズは約17 X 14cm。金色の飾りは計8ヶ所。さらに白い花の髪飾り(サイズは約65cmで6本で一束)も。最後に、指で持つ、丸い物入れ(直径約6cm、厚み約4.5cm)が一個。
尚、クバヤとサルンは別々に着用しても大丈夫です。例えばクバヤの場合、下にタイトなロングスカートやストレートのパンツを組み合わせると素敵です。ネックラインがとても綺麗に見えるデザインで、体のラインに沿ってフィットする形になっています。送料は当方で負担いたします。撮影用に一度着用したのみです。尚『スマトラ島ランプン州伝統タピス刺繍展』については以下のブログを参照してください。
スマトラ島ランプン州伝統タピス展(Pameran Budaya Tapis Lampung)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200701/article_3.html
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