
自宅保管の品です。大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。画像にもありますように、1ページのみ下部に小さな折り目がございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
父「永六輔」を看取る 永千絵
2016年7月7日、昭和を代表する「才人」が逝った――。
永六輔、享年83。本名、永孝雄。
ラジオ・テレビ番組の演出、作詞家、ラジオパーソナリティーなど多彩な才能で知られた。
逝去から1年。
長女が10年におよぶ笑いあり・涙ありの介護の日々を、初めて綴る。
「世に知られた〝六輔としてしか存在しなくなってしまったように思える父を、
〝孝雄だった父として少しでも自分のほうへ引き戻すことができるのではないかと思った。
自分自身の精神安定のためにもそうしなければ、と思った。」(本書はじめに より)
タレント「六輔」と父「孝雄」の間で揺れていた長女が、介護を通じて初めて真正面から向き合った父と娘の物語――。
「父は車椅子になっても、どこかに『これは楽しい!』を見つけることができる人でした」―。永六輔、永眠までの10年間、長女が初めて明かす、笑いと涙の介護の日々。
目次
はじめに 皆さんの“六輔”とわたしの“孝雄”の間で
第1章 最愛の妻に先立たれて―病院嫌いな父、病院に通う
第2章 大腿骨骨折からの介護入門―リハビリに精を出す
第3章 車椅子の上で―父の前向きな姿勢に助けられて
第4章 在宅介護で父を看取る―親子三人水入らずの最後の夜
終章 父亡きあとに―父の最期を見て
おわりに 上を向いたときに、夜の星を見上げたときに
レビューより
2016年7月7日に亡くなった。83歳であった。本書は六輔さんの長女、千絵さんの10年間に及ぶ介護の記録である。私自身ももうじき83歳になるので、読みながら色々と身につまされた。永さんは2002年1月に奥様に先立たれて以来一人暮らしを続けていた。2008年ころからろれつが回らなくなってきた。私自身も永さんが出演されるラジオ番組「土曜ワイド」をいつも楽しみに聞いていたのだが、急に滑舌が悪くなり聞き取りにくくなっていた。あとでわかるのだが、これはパーキンソン病の影響であった。娘さんたちもパーキンソンが相当悪くなるまで、これがパーキンソン病の影響だとは気がつかなかったようだ。本書を読んでみると、永さんは、このほかに、大腿骨骨折、脊柱疲労骨折、前立腺癌など多くの大変な病気に罹患していて千絵さんも介護には大変だったようだ。しかし、幸いにも千絵さんは映画評論家と言う比較的時間が自由になる職業であり、夫の良明さんは永さんのマネージャーを務めていたほか、妹の麻理さんの手伝いも頼めるなど、介護に担い手としては恵まれたものであったようだ。それに、永六輔と言う有名人だ。いざという時は諏訪病院の鎌田先生などのご高名な先生の診察やアドバイスを仰ぐことができたし、町のクリニックでも割合とわがままが効いたそうだ。それでも、介護と言うのがいかに大変なことかわかる。