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やっと見つけました。コーンフラワー色の青(星々)が暗黒の大宇宙にきらめく、タンザニアのメヘンゲ産のコバルトブルースピネルを・・・・・。しかも、1ctを超える大粒です。周知のごとく、メヘンゲ産のコバルトブルースピネルと申しましても、その品質はバラバラでございまして、大部分は、ボケた様なブルーです。そして、良くてもロイヤルブルー止まりです。そんなもの、某(それがし)の目には、さほど美しいとは感じません。
やはり、コバルトブルーと言うからには、「はっと息を飲むような色味」を拝めなければ、購入する意味はありません。今回、たまたまインド人の販売ミスで安く手に入りましたので、お安くお譲りさせて頂く事が出来ます。購入後、様々なコバルトブルースピネル販売者の店を駆け回り、その店の商品と照らし合わせながら、価格を調査しましたが、間違いありません。店主たちも驚いていました。通常では考えられないぐらいの価格で購入できております。品質も、今回、購入した2ピース(1.085ctの当ルース&0.497ctのルース)より上のものは、他店において見当たりませんでした。ブルーの質が全然違うのです。では、どういう流れで購入できたのかを、ご説明していきます(笑)。
某が、何気なくタイの宝石マーケットを散歩していると、過去に取引をした事がない店で、ふと、二つの青いルースが目に留まりました。なんとなく、ブルーサファイアではないような気がしたので、店番をしていた20歳前後の若い小僧に、「これは何ですか?」と尋ねたら、その小僧は、「コバルトブルースピネルだ・・・」と答えました。去年、別の店で、1ctちょいの綺麗なコバルトブルースピネルがあったので、「いくらだ・・・?」と尋ねると、「カラット当たり1万ドル(日本円で160万円)だ・・・」と言っていた為、どうせ今回も高いんだろうと思いながらも、一応、小さい方(0.497ct)値段を尋ねたら、案の定、「カラット当たり4000ドル(日本円で64万円)だ・・・」と答えました。「もう少し安くならないのか?」と尋ねてみましたが、にやけずに真顔で、「まあ、せいぜい1割引きがやっとだなあ・・・・・」と答えて、交渉が決裂しようとしていた、まさにその時です。40歳前後の店主が戻ってきたので、従業員と交渉するよりは安くなるだろうと思い、「2ピース(1.085ct&0.497ct)あわせて、タイバーツならHow Much・・・・・?」と尋ねてみたら、な、な、なんと、小学生でも「変だなあ・・・・・?」と思うぐらい、破格の値段を提示してきたのです。
某は、焦りました。「時間が経てば、こいつは、自分の間違いに気づくにちがいない・・・・・」と思ったからです。ところが、戸惑っていたら、驚く事に、やつは、さらに15%ほど割り引いた値段を提示してきたのです。某は、チャンスだと思い、「いいよ」と答え、すぐさま、言われた額のタイバーツを渡しました。そして、奴は大量のタイバーツを数え始めようとしたのですが、その時、思ってもみなかった事が生じたのです。
な、な、なんと、隣にいた20歳前後の小僧が、「安すぎないか・・・・・?」と、小声でつぶやいたのです。「やばい、奴が、何らかの間違いに気づいてしまうかもしれない・・・・・」、そう恐れた某は、とっさに、「・・・2,3,4,5,6,7・・・」と、大きな声を出して一緒に数え始める事にしたのです。それにより、まんまと奴の思考を停止する事ができ、札を数える事に専念させえたのです。彼が数え終わるや否や、いや、数え終わる前から、ルース二つと各鑑別書(フランスの鑑別書)をカバンの中に入れていたのですが、某は、すぐに「ありがとう」と言い、その場を早歩きで後にしたのでした。その場から5~6m離れた時、背後で店主の舌打ちの音が聞こえたような、聞こえなかったような・・・・・。後ろから小僧に追っかけてこられるかなあと思いましたが、大丈夫でした。
後日、何か、法的に問題があるかなあと考えてみましたが、相場よりかなり安いものの、オーナーが、「これこれの値段で売ってあげますよ」と言って、買い主が、「ああ、いいですよ。分かりました」と言っているので、両者に意思の合致があり、契約は成立しているはず・・・。特に、「意思の瑕疵(かし)」はないはずです。タイの法律がどうなっているのかは分からないですが、あえて日本の民法で言うならば、95条の「錯誤(特に、動機の錯誤)」になるかどうかです。
ちなみに、2週間後、再び、やつの店に行くと、特に、あの時の取引について何も言われる事はなく、ただ、他の商品を見ていた時に、「お前には、特別に安く売ってやる・・・・・」とだけ言われました。やっぱり、あの時、めちゃくちゃ安かったんだ(笑)。プロのプライドとして、「うっかり、レートの換算を勘違いしてました・・・・・」とは言えないので、そういうセリフになったんだと思います(笑)。まあ、せいぜい、ひいきにしてあげようと思います。
<鑑別書の情報>
(1)1.085ct
(2)6.33 x 5.45 x 4.22 mm
(3)Oval
(4)Natural COBALT SPINEL
(5)Intense blue
(6)No indications of any treatment
(7)Mahenge (Tanzania) spinel from Tanzania formed~650m m.y.a
(2024年 7月 13日 0時 56分 追加)ご質問がありましたので、ついでに、補足させて頂きますが、写真が下手のもので、湧き出るブルーが「ボケた感じのブルー」になってしまっています。しかし、実物は、商品説明文にあるように、ハッと息をのむような鮮やかなコーンフラワーブルーをご覧になれます。どんな光でも綺麗ですが、一番は、太陽光にかざしてご覧頂く時です。コーンフラワーブルーが、バチバチバチバチバチ・・・・・という感じになります。ご落札者様の目がやられるんじゃないかと心配してしまいます(笑)。
(2024年 7月 13日 1時 02分 追加)もう一つ、ついでに申し上げますと、写真で、ルースのテーブル中央面に見える「モヤモヤ」は、インクルージョンではございません。撮影時、指でじかに持って竹の上に置いたものですから、恥ずかしながら、某の指紋が付いたものです・・・・・。崩れてはいますが・・・・・。すごくクリーンなルースですので、お間違いなきよう、お願い申し上げます(笑)。