
☆北海道で農業機器を中心に設計制作をする会社が昭和50年代に造り出したロータリー式の除雪機の出品です。
☆出品機は分解出来る物はほとんど取り外し塗装と錆を除去しほぼレストアモードで仕上げた機体になります。
一連の作業に2ヶ月以上の月日を今年の2月頃に仕上がりました。
☆975ccのロングストロークディーゼルエンジンが発する低回転から高回転まで続くトルクフルなパンチと粘りは3気筒や4気筒にはない独特のフィーリングが特徴で、吸気干渉が発生しにくいので負荷がかかった時の立ち上がりの良さは2気筒ディーゼルの持ち味です。
☆リボンスクリューのブレードエッジはカギ爪にし、深さのあるディープ仕様にしたので鉄キャタの喰い付きもあり固い氷雪でも機体が横ズレもせずに前に堀り進むスタイルは現代機では再現できない仕様になってます。
☆HSTのような楽々操作ではありませんが、極寒時でもエンジン始動後すぐにシフト操作ができ油温上昇時でも熱ダレの影響を受けないのがギアアクショントランスミッションの特徴です。
☆前進4速、後進2速、サイドクラッチや変速の抜け等は一切ありません。
☆コストフダウンという言葉もなくバブルで沸いていた時代に制作された機体なので惜しみなく厚手の鋼材を使いオーバーキャパかと思うほどの頑丈な構造で出来上がってるのも特徴です。
☆且つシンプルで樹脂類のパーツはほぼ皆無と言えるほどで鉄の塊のようなスパルタンなスタイルは昭和のバブル期を象徴した実質剛健に仕上がってる機体です。
☆そんな構造物でも稼働すれば摩耗する箇所もあり今回致命的な箇所はほぼ修正修理してあるため使用するにあたり不快になることもなく快適に動作してくれると思います。
☆圧雪アイスバーンから新雪深雪まで対応できるのは鉄キャタの特権です。大馬力でもゴムキャタは踏ん張りが効かず活かしきれないことも多いと思います。
☆希少で程度良好な鉄キャタなので劣化や切断の心配がなく万が一の修理も容易だと思います。
☆豪雪北海道の農機屋が産んだ希少な機体のレストア済み品です。
☆塗装仕上げは全て2液ウレタン塗装なので溶剤や油脂類の付着で塗装が溶けることはありませんのでメンテナンスも楽に行えて綺麗な美観も永く保てると思います。
☆重量が840Kgほどあります。直接の引き取りも歓迎します。パレットに積み込んでの全国発送も可能です。
☆下記に記載しますが元々は歩道などの除雪を開発目標に一般向け販売に至っているようです。
☆レストア中300枚ほど備忘録として撮り溜めた画像のリンクを貼っておきますので興味ある方はご覧ください。
☆とにかくひたすら塗装剥がしとサビ落とし、溶接修理、塗装を繰り返した作業光景の画像です。
レストア画像はこちら
以下、商品説明ではありませんが小型除雪機の歴史です。
高度成長期の昭和30〜40年頃までの当初は農耕トラクタを改造して豪雪を凌いでいたようですが、旧建設省北陸地方建設局および東北地方整備局が輸入機を取り入れて歩道除雪の取り組みを行ったのが始まりのようです。
昭和37年に新潟鐵工所が国鉄の依頼によりヤードやホームの除雪用として開発試験を行なったのちの翌年に改良型ブロワ形ワンステージ除雪機の販売を開始してます。
昭和30年代後半に川崎車輌が耕運機のアタッチメントを開発したのちに東京フレキ工業が道路やプラットフォームの除雪用として小型除雪機製作しています。
昭和40年に和同産業が耕運機のアタッチメントタイプ小型除雪機を、昭和41年には日本除雪機製作所が続き、
昭和43年には旧建設省東北地方建設局が日本除雪機製作所の小型除雪機のハンドガイド式を導入。
昭和44年に日本除雪機製作所がワンステージ鋼製クローラの小型除雪機を、昭和48年に改良機を開発してます。
昭和47年に藤井農機製造が、昭和49年には旧建設省北陸地方建設局が高出力の小型除雪機を開発し、1ステージの6輪タイヤ構造でした。
昭和50年になると旧建設省北陸地方建設局は雪の少ないところで歩道の雪を踏み固めるために搭乗式のタイヤ走行方式踏み固め除雪機を開発。
昭和50年、日本フレキ工業が小型除雪機を、昭和53年に改良型を製作。
昭和54年、旧建設省東北地方建設局は小型除雪機(ゴム製エンドレスベルト)を昭和56年に小型除雪機(除雪幅 0.6m、2ステージリボンスクリュータイプ)を開発。
昭和54年、ここで白石工機(株)が小型除雪機SD60U(20馬力のメタルクローラー型)を製作してます。現代のスタンダード型と思います。
その後、平成9年に和同産業がHSTを搭載するまで大きな改良はなく現在のベースになっていると思います。
当出品機は白石工機がSD60Uの改良型として昭和50年代後半に販売したものと思われます。現シロイシコーキに問い合わせしましたが鉄キャタは初期であることは間違いないが正確な年式は資料がなく分からないとのことでした。