95年の"モンスター・ツアー"中にレコーディングされた、バンドの息遣いを生々しく伝える通算10作目。
パティ・スミス全面協力の楽曲「E-ボウ・ザ・レター」も収録した、R.E.M.による"新たなる冒険"のドラマ。
(1996年作品)
'80年、マイケル・スタイプ(vo)、ピーター・バック(g)、マイク・ミルズ(b)、ビル・ベリー(ds)の4人によってジョージア州アセンズで結成。'83年にデビュー・アルバム『マーマー』でデビューし、Rolling Stone誌でマイケル・ジャクソンの『スリラー』を抜いてBest Album Of The Yearに輝く。'84年に初来日、3年後の'87年発表のアルバム『ドキュメント』が初のプラティナム・ディスクに輝き、Rolling Stone誌においてAmerica's Best Rock & Roll Bandと絶賛され、表紙も飾る。'88年、Warner Bros. Recordsに移籍し、アルバム『グリーン』をリリース。'89年、2回目の来日公演を皮切りにグリーン・ワールド・ツアーをスタートし、アルバムはトリプル・プラティナム・ディスクに輝く。'91年にはアルバム『アウト・オブ・タイム』をリリースし、ビルボード・アルバム・チャートで遂に1位を獲得。全世界で1,000万枚を突破するセールスを記録、同年のMTV大賞で6部門を受賞し、翌'92年の第34回グラミー賞においても最多の7部門にノミネートされ、主要3部門を受賞する。同'92年にリリースされたアルバム『オートマチック・フォー・ザ・ピープル』は『アウト・オブ・タイム』を凌ぐセールスを記録、シングル「エヴリバディ・ハーツ」は大ヒットとなり、'94年のMTV大賞で最多の4部門を受賞する。そして同'94年アルバム『モンスター』をリリース。「ホワッツ・ザ・フリークエンシー、ケネス?」等、ヒットを生み出す。'95年、オーストラリアを皮切りにスタートしたモンスター・ツアーで3回目の来日、今や伝説となった武道館2DAYS公演を行った。そして'96年8月、Warner Bros. Recordsと音楽史上最高額という8,000万ドルで再契約を結び、大きな話題を呼ぶ。そして同年10月、『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』、をリリース。しかし、'97年10月、ビル・ベリー(ds)が脱退し、3人のR.E.M.として初めてのアルバム『UP』をリリース。そして、'01年5月、アルバム『リヴィール』をリリースし、初のプロモーション来日も果たす。その後、'03年にベストアルバム『イン・タイム:ザ・ベスト・オブ・R.E.M.1988-2003』を、'04年に3年ぶりのアルバム『アラウンド・ザ・サン』を発表し、05年3月には10年ぶりの来日公演を実現している。結成から27年、良質なアメリカン・ロックを聴かせる力作を発表しつづけ、全米を代表するバンドとして、揺るぎない地位を築いている。
【収録曲】
001 ハウ・ザ・ウェスト・ワズ・ウォン・アンド・ホウェア・イット・ガット・アス
002 ウェイク・アップ・ボム
003 ニュー・テスト・レパー
004 アンダートウ
005 E-ボウ・ザ・レター
006 リーヴ
007 ディパーチャー
008 ビタースウィート・ミー
009 ビー・マイン
010 ビンキー・ザ・ドアマット
011 ジサー
012 ソー・ファースト、ソー・ナム
013 ロウ・デザート
014 エレクトロライト
1996年にリリースされた10枚目のアルバムです。前作でのダイナミックなロック・サウンドから一気にトーン・ダウン、ダウナーなアコースティック・チューンを中心とした作品で、やっぱり反動が来てしまったか、という感じかも。前作にちょっとカラ元気的なサウンドを感じた僕としては、危惧していた状況が来てしまったという感じでした。前作で久々に再開した過酷なツアーの中で作られたというMichaelの歌詞には「Moving」「Travel」といった言葉が多く、一種ロード・ムーヴィー的な作品と言えなくも無いですが、気になるのは、バンドがとこかへ行っててしまうのではないか、という焦燥感が感じられる事でした。ジャジーなピアノをフューチャーし、ダウン・テンポの曲を中心としたサウンドは、ツアーで疲れ!た彼ら自身への癒しのような意味あいもありそうな気がします。Patti Smithをゲストに招いたレイド・バックしたバラード、マイナー・キーを多用したダウナーなサウンドには、それに隠された光のようなものが僕には見えなくて、とにかくこの空気を共有することと、バンドが消え入る事の無いことを祈ることしか出来ませんでした。ただ、味わい深い作品だと言うことは確かで、間違いなくこの時の彼らのベストな選択であったことは疑いようもないですが。
試聴のみ。大変綺麗な状態です。
邦盤。解説、帯付き。
サンプル。