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大型図録本 古代中国陶瓷陶器図鑑写真集解説288点仰韶文化龍山文化殷周戦国土器彩陶黒陶白陶印文陶灰釉緑釉褐釉青磁土偶六朝漢代魏晋南北朝
大型図録本 古代中国陶瓷陶器図鑑写真集解説288点仰韶文化龍山文化殷周戦国土器彩陶黒陶白陶印文陶灰釉緑釉褐釉青磁土偶六朝漢代魏晋南北朝 [浏览原始页面]
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大型図録本 世界陶磁全集 10 中国古代 古代中国陶器 古代中国古陶磁 古美術 骨董 中国古陶瓷
写真集 解説 原色カラー図版288点 単色図版200余点 器形と文様図版200点 やきもの 陶芸 茶道具 茶陶 古陶磁 古美術 陶磁器 煎茶道具 多数掲載 作品集 写真集 写真解説 論文 論考   

座右宝刊行会 岡崎敬 責任編集
小学館
1982年初版第1刷
約31x22.5x4cm
334ページ
カラー図版 点 モノクロ図版 点  
函入 カバー付き上製本

※絶版 
※月報付き 「甘粛省博物館をたずねて 横田禎昭」本巻執筆者紹介掲載


文化庁協賛 東洋陶磁の原点をさぐる考古美術の成果。
古代中国/中国古代陶磁を集大成した決定版、大型写真集・大型図録本。

仰韶文化の彩陶、龍山文化の白陶・黒陶、近年発見の河姆渡文化の土器等々。
中国古代の焼物の大きな流れは、まさに世界陶磁史の源流にふさわしい。
 
彩陶・黒陶・白陶・印文陶・灰釉・緑釉・褐釉・青磁・土偶・アンダーソン土器
大胆な文様の彩陶、優美な形と膚をみせる黒陶・白陶、色彩豊かな緑褐釉や加彩陶、さらには堅緻な青磁と、新石器時代から六朝に至る六千年のやきものには、その後の世界に展開する陶磁史のすべての萌芽があるといって過言でない。
最新の考古収穫と名品をすぐて結合した中国古代陶磁鑑賞と研究の基本書。
●原色カラー図版288点
●200点の単色器形と文様図200余点のほか表・地図など基本資料を凝集
●中国最新の豊富な発貸料に内外の収集資料を加えて規準作例を網羅
●最高の執筆陣による論文と解説を満載

当代の最高権威による論文・解説および関係資料を満載、
その幅広い魅力を総合的・体系的に展開した陶磁研究と鑑賞の基本書。
壺、瓶、鼎、尊、鉢、水注、陶俑ほか多数収録、全作品に詳細な解説を付したもの。
古美術・古陶・骨董品等愛好家必携の大変貴重な資料本です。


【全集全体の紹介文】
陶磁の歴史は芸術の面からも、生活のレベルでも人類史と不可分のものです。本全集は世界の陶磁を網羅し、地域別かつ時代別に編集しました。
各巻、カラーおよびモノクロ図版に、専門家による解説、文献目録などをそえた構成。
美術館・博物館所蔵のものに、近年発掘された新中国の古陶磁などを加え、また諸窯の遺品も収録するなど、世界陶磁の決定版全集です。

一つ一つの陶磁に「人類の文化史」を語らせた
今後四半世紀は、実現不可能というべき決定版 
世界的に最新資料を集大成した最大規模の決定全集 
一万余点の写真資料を駆使、原色図版を豊富に収録 
最新発掘の陶片なども、美しいカラーで数多く収録 
日本陶磁では特に茶陶を重視、名品を各巻に収めた 
各巻冒頭に陶磁文化史を載せ、体系的理解を深めた


【目次】
中国古代の陶磁
仰韶文化の土器
龍山文化の土器
江南地方の新石器時代土器
殷周戦国の土器と陶器
漢代の陶磁
魏晉南北朝の陶磁
中国東部地方の印文釉陶
中国古代の土偶
中国古代陶磁の科学的研究
中国古代陶磁の器形と文様
年代の明らかな主要墳墓

図版
原色図版・解説
本文挿入原色図版
図版解説
 仰韶・龍山・殷周戦国
 中国古代主要遺跡分布図
 漢
 魏晉南北朝
 土偶
図版解説
主要文献目録
主要新石器文化・遺跡年代表
年表
英文本文目次
英文図版目録 

《撮影・資料提供》 
愛知県陶磁資料館 出光美術館 MOA美術館(救世熱海美術館) 大阪市立美術館 京都国立博物館 京都大学人文科学研究所 京都大学文学部考古学研究室 黒川古文化研究所 五島美術館 天理参考館 東京国立博物館 東京大学文学部考古学研究室 韓国国立公州博物館 韓国国立中央博物館 浙江省博物館 南京博物院 香港芸術館 香港市政局 根津美術館 白鶴美術館 BSN新潟美術館 福岡市美術館 正木美術館 松岡美術館 大和文華館 早稲田大学東洋美術陳列室 共同通信社 中国研究所 中日新聞社 日本松山アートセンター PANA通信社 平凡社 アート光村 坂本万七写真研究所 便利堂 秋山進午 阿久井長期 飯島武次 河村三郎 小西晴美 日中文化交流協会 佐藤雅彦 健吾 徳永?治 中川邦昭 橋本弘治 町田章 宮原正行 矢部良明 横田禎昭 吉田章一郎 ネルソン・アトキンス美術館(カンザスシティ) シアトル美術館(シアトル) 国立美術館連合写真資料サービス(パリ) メトロポリタン美術館(ニューヨーク) ロイヤル・オンタリオ博物館(トロント) ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン) アシュモレアン博物館(オックスフォード) フリーア美術館(ワシントンD.C.) ハーグ市立美術館(ハーグ) ギメ東洋美術館(パリ) 極東古美術館(ストックホルム) サンフランシスコ美術館(エイブリー・ブランデージ・コレクション)(サンフランシスコ) 文物出版社 韓智弘 ジョン・ウェッブ メアリー・トリガー ルネ・ローラン
ネルソン・アトキンス美術館(カンザスシティ) シアトル美術館(シアトル) 国立美術館連合写真資料サービス(パリ) メトロポリタン美術館(ニューヨーク) ロイヤル・オンタリオ博物館(トロント) ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン) アシュモレアン博物館(オックスフォード) フリーア美術館(ワシントンD.C.) ハーグ市立美術館(ハーグ) ギメ東洋美術館(パリ) 極東古美術館(ストックホルム) サンフランシスコ美術館(エイブリー・ブランデージ・コレクション)(サンフランシスコ)

【執筆者紹介】(月報に掲載)
岡崎敬 九州大学教授。東洋考古学の権威。 『東西交渉の考古学』『図説中国の歴史3』他多数。 
本巻責任編集者。 
横田禎昭 広島平和記念資料館学芸員。中国考古学を研究。「甘粛・青海における先史文化の編年」「大溪文化の解明」他。 
秋山進午 富山大学教授。中国考古学を研究。 『古代中国の土器」「楽浪前期の車馬具」他。 
町田 章 奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター集落遺跡研究室長。中国考古学を研究。 『日本の原始美術 装身具」他。 
飯島武次 駒沢大学専任講師。中国・東洋考古学を専攻。「殷前期の提言(0)~40」他。 
佐藤雅彦 京都市立芸術大学学長。東洋陶磁・ 東洋美術史を研究。『中国陶磁史』『中国の土偶」。 
長谷部楽爾 東京国立博物館企画課長。東洋陶磁史を研究。「三国両晉の古越破について」他。 
メアリー・トレギア (M. Tregear) アシュモリアン美術館東洋美術部学芸員。“Catalogue of Chinese Greenware in the Ashmolean Museum, Oxford” 「中国の灰釉陶」他。 
弓場紀知 出光美術館学芸員。日本、中国の考古学・陶磁史を研究。『沖ノ島』。 
中野 徹 大阪市立美術館学芸員。金工・陶磁を中心に東洋の美術工芸・文様を研究。 
山崎一雄 名古屋大学名誉教授。理学博士。「いわゆる正倉院三彩の科学的考察」他。 
矢部良明 東京国立博物館陶磁室長。東洋陶磁史を研究。『元の染付「北朝陶磁の研究」他。 
澄田正一 名古屋大学名誉教授。“中国先史文化』「?南、蘇北の先史時代墓葬」「遼東半島の先史遺跡―老鉄山と四平山」他。 
岡内三真 京都大学助手。東アジア考古学を専攻。「百済・武寧王陵と南朝墓の比較研究」他。 
西田宏子 根津美術館学芸課長。東洋陶磁を研究。『古伊万里」『韓国やきもの案内』

【各作品解説一部紹介】※機種依存文字等のため一部文字化けしています。英文名称、寸法記載あり
彩陶鉢 仰韶文化廟底講類型 河南省
Bowl with incurving rim. Painted with scroll design in unfired colour. Excavated at Miastikow, Shan-hsien, Homan. Miastikow type in the Yang-shas culture. 
刷底清版型とは、河南省県南関付近にある期底清遺跡の最下層の文化層によって代表されるヤンシャオ文化で、半坡類型のそれとはまったく別のタイプの彩陶が出土している。 
本例は、崩底清版型の典型的な彩陶の一つで、良質のきめの細かい土を用いた紅陶鉢で、焼成もよく硬い。 
表面は淡紅褐色を呈している。「く」の字に折れ曲がる口縁部をもった大きな口部と、豊かに張った胴部から小さめの底部にかけては、なだらかなS字形の曲線を描いて屈曲し、非常に美しい特徴的な器形を作り出している。 
文根はかなり複雑で、また変化に富み、三角文と曲線などから構成される連続帯状文が黒色顔料で施文される。半坡類型の彩陶の幾何学文は直解的要素が中心となるのに対して、底清類型のそれは、曲線的要素が中心となっており、本例のように全体としてのびやかで、しかも問然するところのない、きわめて流麗な図案を構成している。 

彩陶双耳壺 甘粛仰韶文化馬家窯類型 甘粛省永靖県三坪出土 中国歴史博物館 
馬家窯類型を代表する彩陶で、肩部がもっとも広く、そこから口部にかけてすぼまり、内傾した口縁をもつ。 口縁近く四箇所に鉤状の突起がつき、胴部には凸帯飾りのある把手がついている。良質の胎土を用いた紅陶の査で、器表は明るい赤褐色を呈している。施文部は丁寧に館で磨かれ、光沢がある。文様は、肩部から胴部にかけての文様帯に同心円文を基調とした旋回文、棘状突起付きの弧状文が描かれている。胴下半部には、上下に数条の平行線で区画された間に一本の波状文をめぐらし、その上下に片方の末端に円点のついた弧状文が配される。 

彩陶双耳壺 甘粛仰韶文化半山類型 
半山類型の典型的な彩は、泥質紅胸の壷で胴部が球状に張って半環状の把手がつき、厨下半部は截頭倒錐形を呈する器形である。これには、長頸で口部の比較的小さな壷と短頭で口のやや大きな壷がある。文様は一般に、 四大円?文,網文,鋸歯文,方格文、満文、葫蘆文などが黒色あるいは赤色顔料で描かれる。稀に藍彩された美しい彩胸もある。半山類型の彩陶は、馬家窯類型のそれよりも一段と種類が多く、かつ精緻で美しく、また器形もバランスよく整って、豪華胸爛たる半山類型の彩園を形成している。 
本例は、いわゆるアンダーソン土器とも呼ばれた典型的な半山大道で、巻上げによってあらかた形ができたところで叩き締めて成形し、表面をよく磨き上げている。彩文は口部、胴部に描かれており、胴部には四箇所の満巻文の中心から左右両方に展開する四大円圏文と呼ばれる彩文が描かれている。 

彩陶双耳壺 辛店文化 甘粛省 辛店出土 
黄河の支流の湟水とその支流大夏河中下流においては、斉家文化のあとに辛店文化と呼ばれる別の種類の青銅器文化が興った。辛店文化は甘粛省臨洗県辛店遺跡に代表される文化で、夾砂粗紅陶と泥質灰陶があり、 手製の夾砂陶が中心となっている。辛店文化には二種類のものがあり、おもに洗河中下流域を中心に分布する姫家川類型(辛店甲組)と黄河沿岸と湟水、大夏河に分布する張家嘴類型(辛店乙組)である。(以下略)

灰陶透彫壷 青蓮岡文化崧沢期 上海市青浦県寺前出土 上海博物館 
泥質灰陶に黒色のスリップをかける。口縁部を花弁形にかたどり、腹部はやや下ぶくれで稜がつく。腹部に二本一組の沈線を三条入れ、二段に分ける。各段には館描で連続する渦巻文を描き、渦巻の中心を円形、その上下の脇を三角形に刳り貫く。底部には外開きの高台を付すが、腹部と同様の透彫を施し、緑を花弁形にかたどる。 おそらく香炉の類だろう。壺形土器の類例をみないが、崧沢文化の碗や高坏の台脚に類似の文様がみられる。 

黒陶高脚坏 山東龍山文化 山東省膠県三里河出土 
 卵殻のごとく、薄く見事に仕上げられた黒陶の脚坏であるが、この器のように、坏の口縁の部分が受皿状に横に大きく開いた形態をとるのが山東龍山文化期の黒陶脚坏の著しい特徴である。 
この脚坏は、脚部の上端が坏の下半部を包み込む形態をとっている。その脚部に四、五条の鋭い刻線を斜めに交差させた方格文を描き、さらにその方格の中央に細長い透孔を設けている。この方格文様は大文口文化期の彩陶にしばしばみられる斜格文と通じるところがあり、あるいはその系統を引いたものかとも思われる。 
この脚坏を出土した三里河遺跡は山東半島膠州湾近くの膠県にあり、1974-75年に調査された(『考古』1977-4)。上層がこの土器を含む山東龍山文化期、下層が大文口文化期であるが、両者とも典型的な龍山、あるいは大文口文化と異なる要素をもつことが指摘されている。 

灰陶大口尊殷中期(二里岡期) 河南省鄭州市二里岡出土 河南省博物館 
大口尊は、二里岡期に属す陶器のもっとも代表的な器形である。大口で、身は深い。口縁から肩部に二本の凸弦文と一本の凹弦文が施され、肩部の附加堆文上には、一対の鶏冠状把手が存在する。腹部から底部にかけては、 十本の横帯弦文が、肩部下と腹部下半には縄文が施されて、底部近くでは一部斜交差縄文となっている。この隠文は、拍子と呼ばれる叩き板に縄を巻いて叩いた文様で、縄を転がした日本の縄文とは異なる。大口尊の類は、 二里頭期と呼ばれる夏代乃至股代初頭に出現し、殷代の二里岡期に盛行し、小屯期にはすたれている。河南省偃師県二里頭や、河南省鄭州市二里岡,南関外などから数多く出土しているほか、湖北省黄陂県盤龍城や江西省清江県呉城遺跡における出土例も知られている。 

灰釉尊股後期(小屯期) 上海博物館 
灰釉陶は股中期に出現し、殷後期に入るとその資料数も増加している。殷代の灰釉陶は、白陶土を使用し、窯内において、1200度に近い高温で焼成されている。灰釉胸にかけられている釉薬は、灰を媒熔剤としたものが一般的であるが、石灰石と陶土を混ぜ合わせた石灰釉を使用した例も知られている。この灰釉弦文尊は、解放前の出土品であるが、製作技法は精巧で、器身全体に、黄緑色の精良な釉がかかっている。帳結によって製作されたこの灰釉弦文尊の器形は、大口尊の類に圏足のついたものとも、あるいは坏の類ともみることのできる形である。 (中略) 殷代の灰釉陶の技術は、西周時代の窯業技術に受け継がれ、やがて後に出現する青磁製作技術の母体になったのである。 

黒陶壺 戦国伝河南省洛陽市出土 
戦国時代の典型的な壷の器形で、副葬陶器として用いられたものである。このような画文のある副葬陶器は、 戦国時代の燕国の領域からの出土例が多く、洛陽市出土と伝えられるこの器も燕国との関連がうかがわれる。器形は口縁部が直立し、鼓腹である。口縁部と胴部には、虎と思われる画文が刻線によって刻まれている。肩部の文様帯は縦方向の波折文、三角形雷文と唐草文、菱形文と横方向の波折文からなっている。鋪首は型造りで、目、 角などを表現し、鼻部に環を通す孔があく。類似の器形と画文を有す泥質灰陶の壷が、北京市懐柔城の燕国に属す戦国墓から多数出土している。戦国時代の黒陶の代表的なものは、河北省平山県中山王墓出土の一群の黒陶であるが、動物画文はみられない。ただ、動物画文が変形したと思われる一種の獣形文や波折文が存在し、ここに示した黒陶画文壷との関連がうかがわれる。 

灰陶加彩雲気文鍾 前漢(前三~後一世紀) 河南省洛陽市焼溝出土 
河南省洛陽の焼溝漢墓群から出土した、基準的な加彩灰陶の例品である。胴の重心が低く平べったい形で、頸が少し長くなっているところなどからみて、前漢も末近いころの作と考えられる。胴の少し上、対称の位置に、 例によって型抜貼付けの鋪首がついている。甲盛りの高い蓋のついた完品であることも貴重だ。作はきわめて丁寧で斉整としているが、焼成後に膚に加えられた彩色の美しさは、稀にみるものだろう。胴の三箇所に平行の弦文が刻まれており、それに歩調を合わすように、およそ七、八本の水平の文様帯が赤、黒、白の顔料で賦彩されている。どうやら下地は初めに黄白色に塗られ、その上に加彩しているようだ。頸の付根にある複合菱文が注目に価する。 

緑褐釉蟠龍文鍾 前漢末一後漢初(前一~後一世紀) 伝河南省南陽市出土 
 漢代に始まる中国の低火度鉛釉陶は、酸化鉄による褐釉が先行し、酸化銅を呈色剤とする緑釉が後発になる。 そして、褐釉は後漢に入ってしばらくすると消えてゆく。(中略)、いま遺存する二袖併用例はきわめて少ない。その中で、この鐘は、形制もしっかりしている上に両袖が安定した、稀にみる完璧の作といえよう。

緑褐釉蟠龍文鍾 前漢末一後漢初(前一~後一世紀) 伝河南省南陽市出土 
漢代に始まる中国の低火度鉛釉陶は、酸化鉄による褐釉が先行し、酸化銅を呈色剤とする緑釉が後発になる。 そして、褐釉は後漢に入ってしばらくすると消えてゆく。そういう流れからすると、褐釉を一面にかけたあと、 緑釉で図文的な彩描をするこの式の作品は、前漢末から後漢初のわずかな期間に作られたものと考えられる。また、この二釉併用のものは、褐袖と緑釉の質の違いから、なかなかうまく定着せず、緑釉が落ちてしまうケースが多い。期間の短さと技術的な問題とが相乗するのだろうが、いま遺存する二袖併用例はきわめて少ない。その中で、この鐘は、形制もしっかりしている上に両袖が安定した、稀にみる完璧の作といえよう。

青磁神亭壷 三国・呉 永安三年銘(260) 浙江省紹興県出土 故宮博物院 
1940年代に浙江省紹興県で出土したといわれるこの壷は、古越磁の遺例の中でももっとも早く注目された年代の明らかな重要資料である。これについては、陳万里氏の論述があり、河出書房版『世界陶磁全集』第八巻に小山冨士夫氏も紹介している。肩に小さな碑が立っており、 そこに「永安三年」 (260) の刻文が読まれるのである。 器形はいわゆる神亭の典型的な形式、頸の長い盤口壷が基本になっており、(中略)三国時代末期の古越磁の作風を知る基準作の一つといえる。 

青磁天鶏壷 南朝(五一六世紀) 出光美術館 
天鶏道にはさまざまの形式のものが知られているが、これはもっとも大型の、釉調も美しい優品で、鶏首も丁寧に作られている。頭の長い盤口瓶が基本になっており、左右に各一対の角耳、二頭の龍を並べた把手、大きな鶏冠をもった鶏首が取り付けてある。全体として洗練された優美な曲線が目立ち、とくに頭や胴がすんなりとのびて、引き締まった美しい姿を作り上げている。釉調は青緑色の透明釉で、釉層は薄く、一面に細かい貫入が生じており、またわずかに釉むらがあらわれている。この種の天鶏壷は、なぜかまだ浙江省では確かな出土例の報告がなく、一説には、やや南方の福建・広東方面の産ではないかともいわれる。しかし、器形のやや似た大形のものが、河北省河間県沙高村で出土していることもあり、産地はまだ確定できない。河北のものは東魏の遺跡からの出土といわれるから、六世紀前半のものである。したがって、この天鶏壷も五世紀後半か六世紀初頭のものであろう(『河北省出土文物選集』302図参照)。 

ほか

★状態★
月報付き。(経年並ヤケあり)
1982年のとても古い本です。
函入、函は経年ヤケしみ、背の帯のあった部分の色が少し薄くなっています。
カバー付きの外観は経年並、天小口経年ヤケしみあり。
表裏見開きの無地ページ全体に経年しみが目立ちます。
本文カラー図版数ページ余白部に全体的なしみあり。
他は経年並ヤケしみがそれなりにありますが、目立った書込み・線引無し、
カラー写真図版良好、問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)


<絶版・入手困難本>オークションにも滅多に出ない、貴重な一冊です。
古本・中古品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。


★お取引について★
■商品が到着しましたら、必ず「受取連絡」のお手続きをお願い申し上げます。
■中古品です。それなりの使用感がございます。
モニタのバックライトの作用により、写真画像は実際よりきれいに見えがちです。
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やや傷や汚れあり…中古とわかるレベルの傷や汚れがある
傷や汚れあり…中古品。ひとめでわかるレベルの大きな傷や汚れがある
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