某も、馬鹿な事を考えたものである。あの長細いベトナムを北から南へ縦断しようと考えたのです・・・(笑)。宝石産地のイエンバイからハノイに戻った某は、一泊して体を休めた後、まずは、飛行機で、ハノイからダナン(ハノイとホーチミンの中間にある、ベトナム第三の町)に向かいました。ちょっと、ズルをしたのです。「ごまかし病」を引き起こすベトナムウイルスに感染したのでしょうか・・・・・(笑)。
そして、このダナンという街から、少しずつ南下し、最終的にはホーチミン(サイゴン)にたどり着くのですが、その道中で、あの「地獄の寝台列車事件」や「ホテルの床にアリが5~6匹いた事件(?)」などに出くわすのです。ただ、そんな些細な事件(?)など比べ物にならないような大事件が、途中の町で起こっていたのです。その時、某は、既に生まれていましたので、そんなに昔の事ではありません(いや、昔かなあ・・・笑)。
日本に帰る飛行機の中で、「地球の歩き方(ベトナム)」の付録にある「ベトナムの歴史」という箇所を読んでいたら、ダナンの次に訪れた「クアンガイ(ダナンから南へ130km)」で、ほんの56年ほど前、「ソンミ―村事件」というのがあったと記載されていました。ひょっとしたら、滅茶苦茶有名な事件なのかもしれませんが、他の個所で記載したごとく、高校生の時、世界史の授業が無く、世界史に疎いのです。「地球の歩き方」という旅行ガイド本によると、1954年、ディエンビエンフーの戦いでベトナム軍にコテンパンにやられたフランスは、アメリカに助けを求め、結局、1965年からアメリカによるハノイ爆撃が始まるのですが、それに頭にきたベトナム解放戦線は、1968年1月、アメリカ関連の施設などを攻撃し、約1500人のアメリカ人をあの世に送りました。すると、今度は逆に、それに頭にきたアメリカ軍カリー中尉の小隊が、1968年3月16日の朝、ヘリコプターで、「クアンガイ」のソンミ―村に着陸し、妊婦17人、老人60人、子供173人、1歳以下の幼児56人を含む504人を殺害しました。いわゆる、無差別殺人というやつです。生き残ったのは、わずか5~6人であったそうです。指揮官のカリー中尉には、1974年、一旦、無罪の判決が言い渡されました。
前置きが長くなりましたが、その「クアンガイ」で、妙なブドウを見つけました。露店商が売っていたのです。なんと、一粒、一粒が、気持ち悪くも、成人男性の親指(あるいは、小さな子供のあれ)ぐらいの「サイズと形状」をしているのです。まあ、いわば、親指(あるいは、あれ)が、何十個も細い枝にくっ付いているような感じです。「驚き、桃の木、山椒の木」ならぬ、「驚き、桃の木、ブドウの木」です・・・・・。初めて目にする奇妙なブドウへの興味で、幼稚園から帰る途中の小さな幼児のように、3~4分ほど、店の前でじっと眺めていたら、おばちゃんが、枝から外れて転がっていたのを、一つ食べさせてくれました。まあ、味は普通に美味しくて、食感は、コリコリとしておりました。
さて、今回、皆様にご紹介する商品は、ブドウの王様「マスカット」の少し黄色くなった奴が、宝石に生まれ変わったような商品です。グリーン系の宝石の中では、グリーンダイヤモンド(硬度10)の次に硬くて丈夫な、グリーンサファイア(硬度9)です。ちなみに、同じくグリーン系でも、クリソベリルやエメラルドは、「硬度8」、グリーントルマリンで「硬度7」、金属製ナイフで「高度6」ですので、グリーンサファイアがいかに硬くて丈夫かがお分かり頂けるかと思います。しかも、このグリーンサファイアは、ダイヤモンドではなかなかマネの出来ない大粒サイズで、カットや全体的プロポーションも良く、しかも、鑑別書付の非加熱サファイアです。内部も、クリーンクリーンで、硬い石質から放たれる鋭いキラキラが、石の底から沸き起こります。この美味しそうな「日焼けマスカット」を一粒、「食わんかい(クアンガイ)・・・?」。き、き、き、決まった・・・(汗)。