<パライバ購入時の注意点 11 個>
(1)アフリカのナイジェリア産やモザンビーク産、ブラジルの新鉱山産は、色が薄い上に、蛍光性に乏しいので、問題外となる。白熱灯の下で、「濃いブルー」にならず、「水色」にしかならない場合は、元来の色が薄い事の証拠となるし、また、白熱灯の下で、「暗い感じの青」になる場合は、蛍光性が無いに等しい事の証拠となる。こういう「ごみパラ」「くずパラ」は、本来の旧鉱山産(バターリャ産)と全く「経済的価値」や「美的レベル」が異なります。タイでは、少し濃いめのアフリカ産を、ブラジル産と偽ってインド人が販売しております。そんなのでも、結構な値段はしますが、日本の業者も単体で見るとだまされてしまうようで、3ケタの値段を支払って購入する人もいると聞きますが、パライバに詳しい某(それがし)が見て、タイに、まともなパライバは皆無です。断言できます。
(2)リングやネックレスなどの貴金属にセットされたパライバは避けるべし。なぜなら、金属から取り外した実物は、色の濃度や照りが、「1~2ランク」以上落ちるのが常だからです。これを彫金トリックと言います。
(3)銅の数値は、ブラジル旧鉱山産であるならば、「2.0前後」は必要です。ただ、数値が「2.0前後」以上あっても、見た目のしょぼいパライバもありますので、注意が必要です。価値も全然異なります。それは、以前も申し上げたように、東京と大阪では、同じ鑑別機関であっても、使っているマシンが異なっているそうですし、検査するルースの箇所によっても違います。また、測定マシンを買って1年目の時と5年目に時でも違うそうですし、もっと言うならば、その日のマシンの調子(人間でいうところの体調)によっても数値は変わるそうです。あくまで参考程度にとどめるべきです。
(4)ブラジルの旧鉱山産は、「1.0ct」を超えるものがほとんどありません。せいぜい「2ct」までです。そりゃ、中には、「2ct」以上のものも、ごくまれに存在しますが、そんなものは、1000万円を下る事はない為、ヤフオクに出品されることは、まず、ありえません。もし、「2ct」を超える宝石質のパライバで、ファセットカットのものを、「ブラジルの旧鉱山産」と言っている出品者がいたら、パライバに関する見識を疑った方がよいかもしれません。2ctを超えていれば、ほぼ100%、アフリカ産です。
(5)経済的価値で言うと、「グリーンのもの(白熱灯の下でブルーに変化しないもの)」は、「ブルー主体のもの」と比べて、価格が4分の1になる事も、覚えておいた方がよいでしょう。
(6)サイズは、見た目からいっても、「0.3ct以上」を選ぶべし。それ以下は、価格がぐんと安くなり、さらに言うと、「0.2ct」以下のゴマ粒系は、経済的にほとんど価値がありません。数値も糞もありません。
(7)カボションは、ファセットカットのものに比べ、格段に価値が低くなります。ほぼ価値はありません。
(8)上記の条件を満たしていても、「ダイヤモンドダスト系ではない、もやっとした白いインクルージョンのあるもの」や「目立つところに黒いインクルージョンのあるもの」、あるいは、「表面に達するようなクラックのあるもの」や「ルースの向こう側が透けて見えるようなもの」は、避けるべし。
(9)パライバは、ほんのちょっとした違いが、見た目に大きな影響を与えます。ですので、数十個のパライバの実物を見比べながら、「色」「照り具合」「しっとり感(水あめを垂らしたような感じ)」「インクルージョンの状態」「形状(ケツのデカいものはダメ)」「カット」「小傷の有無」「「蛍光性」「クラックの有無(石の内部にある微細なものなら許容) 」「色抜けの有無(指に置いたら、指の色が見えるとか・・・。こんなものは、透明感が良いとは言いません。マイナス要因です。)」などをじっくり観察して購入すべし。
(10)パライバは、綺麗なものほど綺麗に映らず、薄かったり、暗かったり、グリーンが主体だったりといった「低品質なもの」程、綺麗に写ります。近年の写真技術の進化は、考えものです。
さて、今回、皆様にご紹介の商品ですが、写真映りが悪くて、このルースの色の美しさが現れていません。こんな写真とは全然違います。もどかしいですねえ~(笑)。