
フランスオペラアリア大全 クレスパン メスプレ ゲッダ デセイ アラーニャ カラス ドミンゴ ノーマン グルベローヴァ セッラ 5枚組 未開封 廃盤 ヴォイセズ オブ フレンチオペラ EMI 2013
古今のフランスオペラのアリアを 名歌手達の100年以上に亘る歌唱で集大成したボックスセットです。原題は “Voices of FRENCH OPERA” と いたって控え目ですが、間口と言い奥行と言い 内容は広く深く…まさに“フランスオペラ総ざらい” の感。私なりに “アリア大全” と表記をいたしました。細かく拾い始めると大変な内容になるので、若干整理をして以下に記します。
・ リュリ ラモーに始まり ラヴェル プーランクまで、フランスオペラの名曲からセレクトされたアリアが、作曲家の年代順に並んでいる。順番に明らかな逆転があるのは ミスではなく収載スペースの都合だろう。
・ フランス人の作曲家と共に グルック ケルビーニ ロッシーニ オッフェンバック など外国人作の曲も並び、かつ アリアの曲数も断然多い。彼らの作品が フランスオペラにとって いかにエポックメイキングだったかが分かる。
・ にもかかわらず ヴェルディが抜けているのは不思議。“シチリア島”も“ドンカルロス”も….“フランスオペラである”と主張する権利を放棄したのだろうか。
・ ざっと見たところ 最も古いのは 1902年録音のプランソンと言うバスの“ファウスト”のアリア。最も新しいのは 2005年 ルセ指揮 リュリ“アルミード”のアリア。その間の“103年”には驚嘆する。
・ LP時代以降の録音が圧倒的に多いのは当然として、1930年代が意外に多いのには驚く。稀曲 秘曲もその頃が多い。戦争による断裂だろう。戦前のフランスオペラ界の隆盛が偲ばれるし、好みの変化 レパートリーの変容ぶりも良く分かる。
・ ボックス裏には フランスの名歌手の他に カラス ドミンゴ ノーマン マイアー などの名前も並ぶ。いわゆる“花” の為らしく ほとんど1曲のみで 大きな曲での採用もない。本来ならば フランス人のみで固めたかったはず。
・ これほど細密で丁寧な編集は、長いあいだ全録音を把握して来たフランスEMIのスタッフ以外では不可能だろう。
・ このセットのコピーライトは2013年。輸入盤としての国内発売日は2013年7月08日。“買収” その他の詳しい経緯はともかく、ロゴまで完全に変わったのは2013年秋。EMIにとって とても微妙な時期。企画の時点で 会社を取り巻く情勢は既に決定的になっていたはず。
・ 戦後の録音はともかく、戦前の稀曲の録音 スペルビアなど伝説の名歌手の録音の方が むしろ今では入手困難で 稀少 貴重だと思う。
・ ギオーの歌ったロッシーニ“マティルデ”の “データ不明”は誤記。その後に並んだブランクの“テル”同様にオリジナルハイライト盤からの採用。この“テル” “トロイ人” ハイライトなどは 世界に先駆ける良い仕事。パテならでは。
・ 同趣のボックスセットが他にも出されたと記憶する。この時なればこその企画。時期限定 初回プレス限定らしく 当然ながら 現在廃盤。 ……などなど
フランスオペラの歴史と 近現代のフランスオペラ界の変遷を体系的に捉えた集成として注目されるひと組だと考えます。これでもまだ足りない筈ながら、キリがないので…と言う事で収めたのだだろうと考えます。
これほどマニアックで趣味性の強いセットはEMIならではの事。あまりセンチメンタルになってもいけないですが、“EMIパテの足跡を残したい” と言う意思表明とも受け取れ、スタッフの気概や感慨の深さが伝わります。意義深いひと組と言えましょう。
未開封です。未開封につき中身は確認しておりません。落札後にご了解があれば検品の上発送いたします。その他は基本的にはNC.NRでお願いします。ただし未開封と言うのもたのしみなもので…。
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