漫画の妖怪人間じゃないですが、「早く人間になりたい(早く人間的な暮らしがしたい)・・・・・」、そう考えた女人(にょにん)は、17年間に及ぶ劇団Sでの奴隷生活と決別し、去年、故郷の九州南部にスナックをオープンさせました。彼女は、超有名劇団で、裏方として、音響の仕事に携わっていたそうですが、お話を聞くと、まあ、ひどい労働環境でした。とても人間の暮らしとは思えません。こんなにこき使われたら、ロボットでも故障するんじゃないかと思える程です。
例えば、夕方の18時から開演するとなると、裏方である彼女は、朝の8時から会場に行き、音響機器をセットし、音合わせをしたり、あるいは、照明のスポットの当たり具合(業界用語では、シュートと言うそうです・・・・・)をチェックしたりと、様々な作業をこなします。そして、それが終わると、今度は、リハーサルがあり、それを経て、いよいよ開演を迎えます。しかし、無事に閉演して終わりではありません。今度は、後片付けです(うわっ、一番嫌なやつです・・・・・)。それが終わるのは、早くても夜中の1時だそうで、その後、劇団Sのバスに乗り、次の会場へと向かいます。そこでは、また再び、朝の8時から、同じ作業が待っていますので、睡眠もろくに取れなかったみたいです。もちろん、たまに、1~2日の休みはあるのですが、やはり、拘束時間が長く、わがままも言えない環境なので、親族のお葬式にも行けないし、友達の結婚式に行けませんでした。
これが、ライオンやシマウマなどを演じる表舞台の劇団員ですと、後々スターになっていくという未来の展望もあるのですが、裏方ですと、ずっと劇団への奴隷奉仕が続くわけです。彼女は、高校を卒業後、音響の専門学校に行き、その後、何かの職(桂小金治じゃないですが、それは秘密です・・・・・笑)を経て、この仕事にたどり着いたのですが、17年間もの間、劇団で奴隷として働いていたが為に、婚期を逃してしまい、40代になっても「おひとりさま」のままです。たかがお芝居ごときの為に、20代30代という「人生の一番良い時期」を無駄にしてしまったようです。唯一の救いは、17年間、イタリアのジプシーのように全国各地を旅してきたので、様々なホテルに宿泊できたという事だけだそうで、それ以外は、何も良かった事、感動した事はないと仰っていました・・・・・(涙)。
彼女は、去年、東京というコンクリートジャングルから故郷に帰り、スナックを開いたのですが、化粧はしてないし、昭和歌謡のデュエット曲は知らないし、カラオケの機械の操作もよく分かっていないし、話術にもあまり長けていないし・・・・・という感じで、ママさんとしては未熟でした。まだまだです(笑)。夜の仕事をするなら、せめて化粧ぐらいはしておけよ・・・・・と思いました。飛び込みで店に入ったのですが、扉を少し開けた瞬間、「あっ、亡くなったはずの坂田利夫さんが、カウンターに立っている・・・・・」と思ったぐらいです。すぐさま、扉を閉めて帰ろうかと思いましたが、面白い話が聞けて良かったです・・・・・(笑)。
さて、今回、皆様にご紹介する商品ですが、今じゃ、なかなか手に入らない、上級パライバトルマリンです。しかも、1.0ctアップという超大粒ルースです。手に入れられた方は、「ついに、ついに・・・・・」と、涙にむせび、感動で手が震えられる事でしょう。世間では、チャンチャラおかしいパライバが、数多く出回っていますが、初心者、中級者の方は、以下の10点をよく覚えておいて下さい。そうすれば、だまされにくいと思います。
(1)銅やマンガンの数値は、信ずるべからず。あくまで、判断材料の一つに過ぎない。信用すると危険。美は、他の要素で決まる事多し。
(2)写真を見て、美しいと感じたら、やめておくべし。パライバは、美しいものは美しく映りません。
(3)商品説明の中に、言い訳の言葉がないかを探すべし。出品者は、責任逃れの為に、あらかじめ、書いている事多し。
(4)0.3ct以下は、経済的価値がないし、サイズも、ゴマ粒ぐらいな為、老眼の人は、ほぼ見えません。つまり、美しさを感じられません。
(5)モヤモヤと白濁した、汚いタイプのインクルージョンは、大きな減点。ごみ屋敷系のごちゃ混ぜインクルージョンも、同じく、駄目です。
(6)内部から表面に達するひび割れは、大きく価値が下がります。
(7)青オンリーの色と言っても、蛍光性やとろりとした艶(つや)の欠けるもの、暗かったり、薄かったりするもの多いです。価値は、無し。
(8)枠にはまっているパライバは、実物より、ワンランク、ツーランク、よく見えている。つまり、買い手は、だまされています。
(9)カボションには、ほとんど、価値がありません。
(10)2ct越えは、ほぼ100%、アフリカ産です。1ctを超える事すら、滅多にありません。上級のブラジル産で2ct越えなら、1000万円を下る事はありませんので、そういう国際相場の常識を持っていれば、だまされる事はありません。