◎ナンシ・グリフィス "NASHVILLE, TENNESSEE, NOVEMBER 1992" ----- デヴィッド・ガー(David Gahr)撮影による稀少写真/オリジナルの35ミリ・ネガフィルム使用による光学式(アナログ)銀塩プリント
◎サイズ:29.4 x 19.6cm(写真画像実寸・四つ切り相当)/37.0 x 28.0cm(木製額外寸)
☆☆☆本品は現在では極めて少なくなった写真ラボの熟練職人が昔ながらの手作業で焼いた銀塩プリントです。ネット上で市販されている画像データやブロマイドなどの既存の印刷物から複製したものでは絶対ありません。
★★★撮影したカメラマンは米国の音楽業界におけるアーティスト写真撮影の先駆けであるデヴィッド・ガー(故人)。彼はノーマン・シーフ、ヘンリー・ディルツ、エリオット・ランディーらより一世代上で、特に1960年代中期から70年代中期に、ポピュラー、ロック、カントリー、ジャズ、ブルースなどの音楽界全般に亘って後にビッグ・スターとなるミュージシャンを多く撮っており、ロックではビートルズ、ディラン、ザ・バンド、J.ジョプリン、ジミヘン、クラプトン、スプリングスティーン、パティー・スミスなど、彼らのデビュー期の稀少な肖像写真を残しています。本人は2008年に85歳で亡くなっており、遺された膨大な数のフィルムの管理は現在同じく写真家である彼の娘さん(Carla Gahr)が行なっているようです。
★★★惜しくも2021年8月に早過ぎる旅立ちをしたナンシ・グリフィス。彼女の名を一躍高めた1993年の名カバー・アルバム『Other Voices, Other Rooms (遠い声)』関連の写真は全てガーが撮影しており、これはナシュヴィルにある彼女の自宅でのセッションの一枚です。同時に連続して撮られたバリエーションは見たことがありますが、このショット(コマ)自体は未公表だと思います。ガーが本格的に彼女を撮ったのは多分この時が最初で最後で一回きりの仕事だったようです(80年代にフォークフェスなどのイヴェントでの姿を写したものは少しあるようです)が、彼女がミュージシャンとしても一人の女性としても正に才色ともにピークにあった頃のかけがえのない記録と言えます。
★★★さて写真業界は、今日カラーもモノクロもほぼ完全にデジタル化されており、特にモノクロ写真の場合、ネガ・フィルムを使った旧来の『光学式の焼き付け』の実作業は、もはや古い専用設備を残す僅かな個人ラボのレベルでしか行われていないのが現状です。写真家や大手現像所によるサポートにも限界があり、フィルムの生産が終わるとともに現像設備やケミカルな材料も消滅し、世界的にも近い将来アナログ銀塩写真の作成は不可能になると言われています。画像の諧調などの精度では最新のデジタル写真は優れていますが、アナログ銀塩写真の独特な深みのある画像はヴィンテージ写真の愛好家ならずともお分かりいただけるはずで、耐久性も大変優れているためその終焉を惜しむ声が多くあります。
★★★本写真は印画紙だけは旧来の紙質のものがもう製造されていないため、最近の光沢タイプ(モノクロ写真専用の最高級印画紙)を使っていますが、それ以外はまだ昔通りの手作業ができるラボで焼き付けしてもらった特注品です。しかも、現在の最先端プリント技術と職人技の融合により画像のディテールに亘って従来にない高い精度を実現しているため、一見してその美しさに驚かれるはずです。アナログ銀塩写真にご関心ある方は、この機会をどうぞお見逃しなく。
★★★コンディション: 入手以来一度もディスプレイことなく保管してきましたので、写真の劣化や傷みは全くありません。
★★★写真自体は傷まないように『仮止め』程度に留めていますので、額装の取り替えは容易です。
★★★額装した写真は反射を避けるため表面の透明板(ガラスまたはPETシート)を取り外して撮影しています。
★★★発送方法と送料:『ゆうパック(80サイズ)』で、奈良県からの基本料金です。