廃盤
DVD
シュレーカー:『烙印を押された人々』
2005年、ザルツブルク音楽祭オープニング
ケント・ナガノによる注目上演!
シュレーカー:
歌劇『烙印を押された人々』全曲
ケント・ナガノ;指揮
ニコラウス・レーンホフ;演出
ベルリン・ドイツ交響楽団
ロバート・ブルベイカー
ロバート・ヘイル
ミヒャエル・フォレ、ほか
オーストリアの作曲家、フランツ・シュレーカー[1878-1934]は、現在でこそ知名度が低いものの、生前は、R.シュトラウスと並ぶほどの人気オペラ作曲家で、『サロメ』や『エレクトラ』といった初期のシュトラウス同様、豪華絢爛なオーケストレーションを用い、ワーグナー歌手の声を想定した配役により、聴きごたえあるオペラをいくつも発表していました。
当DVDに収められた『烙印を押された人々』も、シュレーカーの成功作として知られるもので、1918年にフランクフルトで初演された際には一大センセーションを巻き起こしたと伝えられています。しかし、ナチスが台頭し始めてからはシュレーカーの作品が上演される機会は次第に失われてゆきます。
第二次大戦後も、アドルノなどシェーンベルク一門の反発などもあって再評価は進まず、1978年になってようやく、1933年に初演がナチスの妨害で中止されていたオペラ『クリストフォルス』の上演がおこなわれ、翌1979年にはミヒャエル・ギーレンが『烙印を押された人々』を上演、そして1980年代に入るとドイツ、オーストリア各地でシュレーカー作品が上演されるようになり、中でも1984年にザルツブルク音楽祭でゲルト・アルブレヒトによって上演された『烙印を押された人々』は大きな話題を呼ぶこととなります。それがきっかけになったのか、シュレーカーのオペラをレコーディングするという動きも出始め、1990年にはエド・デ・ワールトが『烙印を押された人々』全曲録音を、1993年&94年にはローター・ツァグロゼクが同じく『烙印を押された人々』の全曲録音をおこなって、それぞれ高い評価を獲得しています。日本でも2000年1月に大野和士がオペラ・コンチェルタンテシリーズで『はるかなる響き』を上演し、シュレーカーのオペラ全曲の日本初演として話題となりました。
ケント・ナガノ指揮、ニコラウス・レーンホフ演出による2005年ザルツブルク音楽祭での上演を収めたこのDVDは、この作品初の映像作品として絶大な価値を誇るものといえ、フェルゼンライトシューレの巨大な舞台を色彩豊かに効果的に使った大掛かりな舞台、120名以上という巨大オーケストラと、ワーグナー歌手を中心に33名もの役付き歌手が登場するという派手なオペラの魅力をわかりやすく解き明かしてくれます。
『烙印を押された人々』のあらすじはこんな感じです。舞台は16世紀のジェノヴァ。
第1幕
生まれつき障害を持ち、容姿にも恵まれない貴族アルヴィアーノは、「エリジウム(楽園)」という名の施設をある島に建設しますが、その「エリジウム」の美しさに、醜い自分はふさわしくないと近づこうとしませんでした。
そのことを知ったタマーレ伯爵をはじめとするアルヴィアーノの知人の貴族たちは、若い娘たちを誘拐して「エリジウム」に入り浸り、乱行の限りを尽くします。
しかし、その後、貴族たちは、アルヴィアーノが「エリジウム」を市民のために寄付しようとしていることを知り、なんとか妨害するよう考えをめぐらします。
アルヴィアーノと寄付について話し合ったナルディ市長には、カルロッタという画家の娘がおり、彼女は朝日を浴びたアルヴィアーノを見て美しいと感じ、ぜひ描きたいと申しいれますが、アルヴィアーノは最初、からかわれていると思って怒ってしまいます。しかし、彼女の申し入れに嘘が無いことがわかると、絵のモデルになることを承知します。
第2幕
寄付をすることとなったアルヴィアーノを、市長と元老院議員たちが称えていますが、島の寄付を成立させるために必要なアドルノ公爵の承認がなかなか下りません。エリジウムを卑猥な目的に使っていたアルヴィアーノの知人たちが公爵に対しておこなった裏工作が功を奏したのです。さらにアドルノ公爵のもとに、タマーレ伯爵が、市長の娘カルロッタとの仲をとりなしてくれるようお願いに来ます。タマーレ伯爵はすでにカルロッタに言い寄っていたのですが、軽くあしらわれてしまっていたという経緯もあり、アドルノ公爵の約束を聞いて、伯爵はカルロッタを我が物にしたも同然と喜びます。
一方、カルロッタのアトリエを訪れたアルヴィアーノは、完成した絵を前に、カルロッタから愛の告白をされますが、容姿に自信の無いアルヴィアーノにはそれに応じることができませんでした。
第3幕
エリジウムにジェノヴァの市民が招待され、祭りが開催されます。人々がエリジウムの美しさに酔いしれている時、突然、アドルノ公爵に率いられた警官隊が登場。若い娘たちの誘拐犯としてアルヴィアーノを逮捕しに来たといいます。しかし、ほどなく、この逮捕劇は、カルロッタを誘拐したタマーレ伯爵が、アルヴィアーノに罪をかぶせるべく仕組んだものであることが判明。
アルヴィアーノは、カルロッタの身の安全を心配して捜索を急ぎ、その後に人々が続きます。やがて彼は、カルロッタがベッドに横たわっているところを発見しますが、そこに現れたタマーレ伯爵に嘲笑されると、アルヴィアーノは逆上。タマーレをナイフで刺し殺した後、カルロッタを助け起こしますが、すでにアルヴィアーノからタマーレ伯爵へと心変わりしていたのか、彼女はタマーレの名を呼びながら息絶えます。あまりの衝撃にアルヴィアーノは正気を失って幕となります。
シュレーカー:
歌劇『烙印を押された人々』全曲
アルヴィアーノ:ロバート・ブルベイカー
アドルノ公爵:ロバート・ヘイル
タマーレ伯爵:ミヒャエル・フォレ
ナルディ市長:ヴォルフガング・シェーネ
カルロッタ・ナルディ:アンネ・シュヴァネヴィルムス
グイドバルド:ベルナルト・リヒター
メナルド:マルクス・ペッチュ
ミケロット:メル・ウルリッヒ
ゴンサルヴォ:トマス・オリーマンス
ユリアン:ギヨーム・アントワーヌ
パオロ:シュテファン・ガッド
議員:ロベルト・ヴェルレ
議員:ペーター・レーレ
議員:マルクス・アイヒェ
大男:クレメンス・ザンダー
男の使用人:ウォルター・ツェー
女の使用人:ガブリエラ・ベッセニエイ
ウィーン国立歌劇場合唱団(合唱指揮:ルパート・フーバー)
ベルリン・ドイツ交響楽団
指揮:ケント・ナガノ
衣装:アンドレア・シュミット=フッテラー
装置:ライムント・バウアー
振付:デニ・セイヤーズ
照明:アレクサンダー・コッペルマン
演出:ニコラウス・レーンホフ
収録時期:2005年7月、8月
収録場所:ザルツブルク、フェルゼンライトシューレ(ライヴ)
収録時間:145分(プロローグと第1幕:44分、第2幕:42分、第3幕:48分、他)
画面:カラー、16:9
音声:PCMステレオ、Dolby Digital 5.1、DTS 5.1
字幕:英独仏西
NTSC
リージョン・オール
※国内プレーヤーで再生ご鑑賞いただけます。
コンディション良好。
発送はクリックポスト(追跡有)を予定しています。
土曜、日曜日は発送作業ができませんこと、ご了承ください。