・光学系はカビ、くもり、バルサム切れなどの目立つ劣化が見られずきれいな状態です。
・外観は経過年数の割に大変きれいな状態で美品だと思います。
・文字やマークの色もくっきりしていて見やすい状態です。外観にかかわる詳細は前述のリンク先にある高解像度画像でご確認ください。
【可動部の状態】
・距離環は全周にわたって一定の手応えでスムーズに回転します。逆転時の遊びはなくピント合わせを正確にできます。ヘリコイドにラップ研磨処理を行ったため、回転時に指先にざらつきや擦れなどの違和感が伝わってくることはありません。
・絞り羽根の動作はNikon Fボディに取り付けて確認しましたが,シャッターに連動して迅速に開閉しました。
・絞り環はクリック感が良く軽い力でスムーズに回転します。
・距離環と絞り環の操作感は多くの方に良好だと感じていただける状態に整備できていると思います。
【このレンズの特徴等】
・50mm標準レンズの中では軽量コンパクトです。
・最短撮影距離は0.6mです。
【分解整備の内容】
・フォーカスリングのヘリコイドに使用されていた古く汚れたグリスを除去し、ヘリコイドの溝の中までラップ研磨と呼ばれる方法で磨き上げ,溝の奥にたまった細かな汚れを取り除くとともに表面をより平滑にしました。その後,粘度が適した新しいグリスを隙間なく充填しました。
・内部のレンズ面に付着していたチリなどを可能な限り清掃しきれいな状態にしました。商品写真中のレンズ前後からライトで照らした画像をご確認ください。
・水洗可能な部品は分解時に洗剤による洗浄を行い汚れや不要な古い油分を取り除きました。その後、超音波洗浄機で洗浄しました。
・最近はフィルムカメラの需要が増えていることがニュースでも取り上げられていました。私の無限遠調整および動作確認はすべてそのレンズを使用する前提で製造されたフィルムカメラに装着して正確に行っています。出品中のレンズはNikon Fボディに取り付けて距離環を無限遠側いっぱいに回した位置で星や月面にピッタリとピントが合うように調整しています。マウントアダプターを介してミラーレス一眼で使用した場合は多くの場合わずかにオーバーインフ(無限遠マークのわずかに手前で無限遠にピントが合う状態)になり無限遠にはピントが合わせることができるはずです。
・無限遠調整時の被写体は(1)明るい恒星、(2)恒星と同じ結果になるように調整した無限遠コリメーター、(3)約200m先にある鉄塔のいずれかで調整時に利用可能なもので行っています。無限遠コリメーターは口径10.2cm焦点距離1200mmのアポクロマート天体望遠鏡(PENTAX 100ED)の接眼部にピンホールと光源を取り付けたものです。また、調整時にはカメラボディーに自作の高倍率マグニファイアを装着して確認しています。(1)~(3)のいずれで調整しても全く同じ結果になることを確認しています。
※ミラーレス一眼にマウントアダプターを介して取り付けた場合は、そのマウントアダプターの設計や工作精度によって無限遠位置が異なります。多くの場合はオーバーインフになることを確認しています。これは、マウントアダプターを使用した際に確実に無限遠が出せるように余裕を持たせてた設計にしているためだと思います。オーバーインフ気味になるマウントアダプターに取り付けて無限遠を精密に調整してしまうと、その時使用したものでしか正確な無限遠が出ないだけでなく、多くの場合そのレンズを本来のフィルムカメラに取り付けた時には無限遠にピントが合わないことになります。