伊東慶 茶碗 伊羅保 京焼 平安 共箱 共布 シオリ 美品 翠壺 翠壷 伊東 慶 昭和50年代? いらぼ 茶道具 抹茶碗 茶陶 白磁 華泥

伊東慶の伊羅保の茶碗です。この作家さんの作は 陶磁器共に形はシャープなのに 雰囲気は幻想的で大変に結構です。殊に白磁に草花を浮かび上がられた作品は繊細華麗 可憐優美…“デリカシーの塊” の様で…“触れなば落ちん風情” とはまさにこの事かと思われるほどです。この様な味わいは “京焼” の中で断然ユニークで、この作家の独壇場だと感じます。並行して作られた茶道具においても この感覚は顕著で、同じ技法を用いても 他の作家とは異なる独自の世界を出現させて目を見張ります。
この茶碗は伊羅保です。なにぶん上品で 格の高い出来が印象的です。一般的な伊羅保の茶碗だと、濃淡２色の茶色のコントラストを際立てて 荒く野趣溢れる “巌” の様な表情を再現する場合が多いように思われますが、この作者の伊羅保は、淡く霞の様な美しい線が浮かび上がり独特です。自然の岩の荒れた風合よりも 砂岩などの柔らかな地層の様な風情で、常の作品同様に夢心地で幻想的で この作家さんならではの出来だと感心します。ともかく美しい世界ですが、一方では “垂れ” などによる表現の変化も豊富で、四方それぞれに表情が異なるのは見事ですし、土の赤さとの対比も結構だと思います。
過去の個展の図録などを拝見すると “白磁に花”の華泥という作品が圧倒的に多いのは事実ですが、一方で “茶陶”の出品も必ず続けられた模様で、作家さんにとっては 二つが創作の両輪であった事が確認されます。
しおりの記載が昭和50年までですので、昭和50年前半の作かと考えました。

未使用かそれに近い美品だと思います。土の部分が大変に綺麗で色鮮やかですが、土自体の赤さが写真に写り込まないのが残念です。共箱 共布 しおりが備わり条件の良いセットだと思います。共箱に若干のうすシミが見受けられます。

概寸 口径 13.5cm×高台 5.0cm×h 6.8cm

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