●ソニー・ロック名盤１００に含まれる永遠の金字塔、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズの第二作『血と汗と涙』をご存知ないロックファンは誰もいませんが、しっかりと聴いたことがないのは、とても残念なことです。５０年代後半東海岸のフォークリバイバルで、アメリカ発祥のブルーズ、フォーク、ジャズなどが再発見されましたが、ムーブメントを受けてアル・クーパーはブルース・プロジェクトを結成し、ジャズ・フォーク・カントリーをブルーズに融合させる新しいロックを生み出そうとして、管楽器を加えたＢＳ＆Ｔを新たに結成します。

●アル・クーパーはキーボードとギターを担当し、トランペットに、後にブレッカー・ブラザーズで一世を風靡するランディ・ブレッカー、ジェリー・ワイス、サックスは、クラシック界でも活躍しアレンジャーとしても有名なフレッド・リプシウス、トロンボーンは、ディック・ハリガン、ドラムは、ジャズの世界でも有名なボビー・コロンビー、ギターは、ブルース・プロジェクトにいたスティーブ・カッツというメンバーでした。デビュー・アルバムの"Child Is Father To The Man"『子供は人類の父である』は、今なお高く評価される元祖ブラスロックで、シカゴやチェイスに深い影響を与えました。

●バンドの主導権をスティーブ・カッツとボビー・コロンビーに奪われたアル・クーパーは脱退し、契約が切れたランディ・ブレッカーもジェリー・ワイスも脱退し、新たなボーカルに、ロック色の濃いデビッド・クレイトン・トーマスが加入し、ルー・ソロフ、チャック・ウインフィールド、ジェリー・ハイマンが加わって、１９６８年に本作『血と汗と涙』がリリースされて、「スピニング・ホイール」「ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー」「アンド・ホエン・アイ・ダイ」はシングルカットされて大ヒットしました。第一作のプロデュースを断ったジェイムス・ウイリアム・ガルシオがプロデュースを担当しました。

●その後７１年に、初来日し武道館で、ジャズのようにライブこそ素晴らしいことを証明しましたが、このＣＤは、ボーナストラックとしてライブが二曲収録されている限定盤です。四曲目の"More and More"は一分半長いだけですが、二曲目の"Smiling Phases"は１３分以上長い１８分４３秒で、ＬＰレコードなら片面分の長さで、無尽蔵のアドリブを楽しむことができます。

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収録曲

1.　 エリック・サティの主題による変奏曲 (第1楽章、第2楽章)　
　　Variations On A Theme By Eric Satie (1st And 2nd Movements) Adapted From "Trois Gymnopedies"　 　2:35

2.　 微笑みの研究
　　Smiling Phases　 　5:10

3.　 サムタイムズ・イン・ウィンター
　　Sometimes In Winter　 　3:09

4.　 モア・アンド・モア
　　More And More　 　3:04

5.　 アンド・ホエン・アイ・ダイ
　　And When I Die　 　4:06

6.　 神よ祝福を
　　God Bless The Child 　5:54

7.　 スピニング・ホイール
　　Spinning Wheel 　4:08

8.　 ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー
　　You've Made Me So Very Happy 　4:17

9.　 ブルース・パート2
　　Blues - Part II 　11:45

10.　 エリック・サティの主題による変奏曲 (第1楽章)
　　Variations On A Theme By Erik Satie (1st Movement Adapted From "Trois Gymnopdies) 　1:45

11.　 モア・アンド・モア (ライヴ) ＜ボーナス・トラック＞
　　More And More (Live) 　4:37

12.　 微笑みの研究 (ライヴ) ＜ボーナス・トラック＞
　　Smiling Phases (Live) 　18:44