
定価840円
本の状態に悪い点全く無し
孤独、苦しみ、喜び――
心の扉を開け、思いを知る
最新の研究成果「CANDy」とは
◎内容
「認知症になって記憶が失われても、心が失われるわけではない」
とは、よく聞くフレーズです。
では、その「心」とは、一体どのようなものなのでしょうか?
それを本書では、できる限り具体的に示したいと考えています。
心の内を知り、その人の内なる世界を尊重することが、
認知症の本質である「生活の障がい」と「孤独」の軽減につながり、
幸福につながると信じるからです。
日常会話によって認知症の人を知り、
会話を増やすためのツール「CANDy」とは。
認知症の人の孤独とプライド、そして苦しみとは。
最新の研究成果に基づく、認知症の人の心の読み解き方。
◎目次
はじめに
第1章 認知症の人との「会話」を取り戻す
(1)「CANDy(キャンディ)」で、日常会話からその人を知る
(2)なぜ「CANDy」が必要だったのか
第2章 認知症の人のコミュニケーションの特徴を知る
(1)非言語(ノンバーバル)コミュニケーションからわかること
(2)コミュニケーションに欠かせない「社会的認知」とは
(3)認知症の人は他者との関係をどう捉えているか
(4)遠隔操作型ロボット「テレノイド」となら、会話が弾む?!
第3章 認知症の人が見ている世界を知る
(1)“心"とは何か――記憶・注意の仕組みと認知
(2)認知症の人は時空をどう捉えているか
(3)4大認知症と、その行動・心理の特徴とは
(4)認知症は“予防"や“治療"できるのか?
第4章 認知症の人の苦しみを知る
(1)自分が自分でなくなっていく苦しみ
(2)日常生活ができなくなる苦しみ
(3)「未来展望=希望」を失う苦しみ
(4)自分だけが別の世界に生きる苦しみ
第5章 共によりよく暮らす方法を知る
(1)“虐待"は、なぜ起こるのか
(2)今もある偏見“認知症は魔女の仕業"
(3)認知症の人の世界を大事にする
(4)“介護"ではなく“生活"をする
(5)ポジティブな感情を共有する
おわりに
参考文献
◎著者プロフィール
佐藤眞一(さとうしんいち)
1956年東京都生まれ。
大阪大学大学院人間科学研究科臨床死生学・老年行動学研究分野教授、博士(医学)。
早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程を終え、
東京都老人総合研究所研究員、明治学院大学文学部助教授、
ドイツ連邦共和国マックスプランク人口学研究所上級客員研究員、
明治学院大学心理学部教授を経て、現職。
前日本老年行動科学会会長、日本応用老年学会常任理事、
日本老年社会科学会理事等を務める。
著書に『ご老人は謎だらけ 老年行動学が解き明かす』(光文社新書)、
『認知症「不可解な行動」には理由(ワケ)がある』(SB新書)、
『仕切りたがる人 相手を見抜くタイプ心理学』(マイコミ新書)、
『「結晶知能」革命 50歳からでも「脳力」は伸びる! 』(小学館)、
『後半生のこころの事典』(CCCメディアハウス)、
共著に『老いのこころ 加齢と成熟の発達心理学』(有斐閣アルマ)、
『老いとこころのケア 老年行動科学入門』(ミネルヴァ書房)、
『エイジング心理学 老いについての理解と支援』(北大路書房)など多数。