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今よみがえる横浜市電の時代 南区 (28頁/定価1000円)
【内容】
かつて68年間に渡り、横浜市内を縦横無尽に走り回っていた「横浜市電」は、昭和47年(1972)3月31日限りで廃止となり、それからすでに半世紀近くの時が過ぎようとしている。
昭和38年(1963)から市電が全廃されるまで市内をくまなく歩き回り、最後まで市電と街の姿をカメラに収め続けた故・天野洋一氏。その同じ撮影ポイントへ武相鉄研OB会が出かけて行き、横浜の街の変貌ぶりを撮影。
新旧比較写真集の本書で、かつての懐かしい市電が走る情景をお楽しみ頂けると共に、現在の街の姿はカラーで比較したため、その激変ぶりにも驚かれることであろう。
当時の人々の暮らしさえも垣間見えて くる「天野作品」のカメラ・アングルの素晴らしさは、従来の「型にはまった鉄道写真」とは大きく異なるものであることも実感できる。
市電が走っていた市内中心部を「各区」ごとに分冊・編集してあり、分かりやすく見やすいのが大きな特徴でもある。
当時の市電写真と、同地点での「現在の写真」を各頁上下2段で組んであり、その時の流れを手軽に楽しめるようになっている。
さらに各区ごとの地図によって、各撮影地点も明示してあるため、読者自身がその場所に立ち当時を夢想し、その変貌ぶりを実感する手助けにもなるであろう。
それが、本書の第2の楽しみ方ともいえる。
巻末には、市電全路線・全電停マップも収録されている。
横浜市電開業から10年後の大正3年(1914年)には、南区・弘明寺までの1系統が開通。その後も、南区のメインストリート・鎌倉街道を走る10系統、保土ヶ谷駅前から山を越え、井土ヶ谷駅前から通町を抜け、弘明寺までの12系統、磯子方面への13系統などが開通したことで、南区内の路線が完成した。昭和43・44年(1968・69)の廃止に伴い、南区からも市電が消えていったものの、最後まで市内中心部に市電が残った事が幸いし、南区内では昭和47年(1972)3月31日までその走る姿を見かけることが出来た。
*本書は2000年9月発行の「懐かしの横浜市電」を、区ごとに分冊化したものです。
*比較写真の「現在のカラー写真」は、2000年当時に撮影されたものであることを、予めご了承願います。