学名:Neoporteria taltalensis
= Eriosyce taltalensis ssp. taltalensis
= Neohcilenia taltalensis
= Pyrrhocactus taltalensis
= Pyrrhocactus rupicolus
和名:ネオポルテリア・タルタレンシス(= エリオシケ・タルタレンシス亜種タルタレンシス)
産地:エスメラルダ, チリ【KK1172】: ESMERALDA, ANTOFAGASTA Region, CHILE)
株状態:海外実生株
サイズ:写真参照
管理期間:約5年
鉢:国産実験用磁器るつぼ(鉢底穴増設)
説明:
ベランダ整理のため、Eriosyce属(エリオシケ属)を出品します。本属は、国内では一部の種を除いて、なかなか入手難な種も多いかと思います。サボテンについては同梱対応しますので、取引メッセージでご連絡ください。
※今週でサボテン株の出品を一旦終了します。
本種は、1955年にP. C. HutchisonがESMERALDAよりNeoporteria taltalensisとして新種記載します。一方で、F. Ritterが【FR213】: PUNTA ESMERALDAに対してPyrrhocactus rupicolus sp. nov.としてH. Winterカタログ上で裸名で販売しています(ウィンター商会)。後にF. Ritterは正式にP. rupicolusを新種記載しますが、先のP. C. HutchisonのNeoporteria taltalensisに当たる種が見つけられずにいました。P. C. Hutchisonは詳細な記述を残しており、タイプ産地についてもESMRALDA鉱山(現在は廃坑)の北方+内陸への距離まで正確に記していました。しかし、記載論文の植物画に使用した株が継木の増殖株で、しかも株の全体像が掲載されていなかった事から、F. Ritterを勘違いさせたようです。
実はF. RitterもP. C. Hutchisonと同時期にtaltalensisの自生地に辿り着いていました。こちらについてはF. Ritterは1980年のKakteen in sudamerika vol.3に長々と経緯が書いていますが、要するにF. Ritterのミスとなります。この中で、F. Ritterが1963年に新種記載したのはPyrrhocactus rupicolusこそが、真のtaltalensisであったとして、本種をシノニムにしたという経緯になります。なお、F. RitterはPyrrhocactus taltalensisの分布範囲をTALTAL〜ESMERALDA〜CHANARALとし、それなりに広い分布範囲となります。同時にTALTAL周辺〜PAPOSO南部まではPyrrhocactus neohankeanusとしました。
一方で、1955年〜1980年までの25年間にtaltalensisは混乱を極めており、C. BckebergはNeochilenia taltalensisをTALTAL周辺の【FR212】のRed Flowerとされた赤花種に当てました。しかし、これは後のPyrrhocactus neohankeanusとなります。
1994年にF. KattermannがEriosyce taltalensis ssp. taltalensisとし、現在までこの学名で落ち着いています。ところが、同氏はPAPOSO南東部〜TALTAL〜ESMERALDAに分布するかなりの種数をtaltalensisに統合しました。同様にPAPOSO以北はssp. paucicostataとしました。この分類は2006年のD. Huntに受け継がれ、現在はE. paucicostataは別種となっています。
この統合的な分類が長年論争を呼んでおり、どちらの種に属するにしても、かなり多様な変異を含むことになります。現在、流通しているtaltalensisの多くに、過去に別種として認識されていた産地の系統が含まれています。このため、産地情報なしとなると、何気にタイプ産地の真性taltalensisの入手は結構難しくなってしまっています。
真性のtaltalensisとは、低く構えた中型種で、黒色~暗紫色〜暗褐色~暗緑色〜明緑色の地色で、長い直線状の黒色~灰白色〜茶色の中刺を外開きに密生し、イガグリやウニが転がっているような姿となります。また、花はやや細めの漏斗状で全体に桃色~赤紫色、冬季〜春季に開花します。一見すると、いわゆる旧Neoporteria系にも近いですが、内部の花弁が閉じる細筒状の花(二花状花)とは大きく異なります。
本株は、約5年前に【KK1172】:ESMERALDA産の中~小型株として、海外から入手して管理してきています。ここからじっくりと育てれば、イガグリやウニのような株に育てることが可能かと思います。混乱しているtaltalensis群にあって、これぞ真性taltalensisな事もあり、比較標準株としてオススメになります。