アールシュミット商会の商館時計です。

アールシュミット商会の懐中時計は、古い物から順に、ワーゲン商会（W.F.）扱い→ヘロブ商会（H.C.）扱い→シュミット直営（R.S.）と変遷していきますが、本商品は 最も古いワーゲン商会扱いのものです。

ケースの裏蓋がガラス風防に替えられているスケルトン仕様ですが、ブリッジにワーゲン商会を示す「WF」の刻印がありますので、ワーゲン商会扱いのアールシュミット商会の時計と分かります。

ワーゲン商会（W.F.）は、明治10年～明治22年（1877年～1890年）の間、アールシュミットの時計を扱っていましたので、今から最低でも135年以上前の時計です。


ムーブメントは、ブリッジに「WF」の刻印がある14石の鍵巻きです。

ワーゲン商会のムーブメントで、ブリッジに「WF」の刻印があるのは、高級機です。


オリジナルの銀無垢ケースは、裏蓋がガラス風防に替えられているスケルトン仕様です。

リューズを押してガラス風防がはめられた裏蓋を跳ね上げると、中に鍵穴付きのガラスカバーがあります。（二重ガラス構造）

2枚のガラスはどちらもクリアですので、二重ガラスでも中のムーブメントの動きがクリアに見えます。


裏蓋がガラス風防に替えられているのでシリアルナンバーの照合ができませんが、ケース側のムーブメントを固定するための切り欠きとムーブメント側の突起の位置が一致していて、且つ、一か所しかないことと、ムーブメントをケースに固定するネジ跡も一か所しかないことから、オリジナルのムーブメントとケースの組み合わせと思われます。


分解清掃／注油済み、動作確認済みです。

確認内容は、時刻合わせが可能なことと、各姿勢に傾けても動作が停止したり不調になったりしないことを確認し、文字板上（平置き）、文字板下、12時上（縦置き）の3姿勢での日差をタイムグラファーで測定しました。


※ 精度は、後述。


■直径／重さ
直径：　55.3mm　※リューズを除く
重さ：　99.6g


■ケース
オリジナルの銀無垢ケースです。

銀無垢部分は多少の小傷や薄い凹みはありますが、目立つ傷・凹みはありません。

リューズを押すと、ガラスがはめられた裏蓋が跳ね上がり、開きます。

裏蓋を開けると、ムーブメントが保護用の鍵穴付きガラスカバーで覆われています。

鍵穴付きガラスカバーは中央の穴に5mmほどのひびがありますが、鍵を挿すときにガラスカバーに鍵を当てて強く押したりしない限り、ひびが広がることは無いです。
（汚れをウエスで拭くとかは全く問題ありません）

中央の鍵穴が時刻合わせ用で、もう一方の鍵穴がゼンマイ巻き上げ用です。

ガラス風防は、12時の部分の端に小さな補修跡があります。

裏蓋のガラス風防は大変クリアです。

前面のガラス風防も多少の小傷はありますが、目立つ傷はなく概ね綺麗です。


■文字板
オリジナルのポーセリンダイヤルです。

目立つ割れ、欠け等はなく、概ね綺麗です。


■ムーブメント
ブリッジにワーゲン商会の「WF」の刻印入りの14石の鍵巻きムーブメントです。

鍵が付属します。

時刻合わせは、中央の鍵穴に鍵を挿し込んで回し、ゼンマイ巻き上げはもう一方の鍵穴に鍵を挿し込んで時計回りに回してください。

出品に際し、分解清掃しています。

精度（日差）は、タイムグラファー計測（ゼンマイ：フル巻き時）で下記の通りです。

・文字板上（平置き）： －19秒
・文字板下　　　　　： －32秒
・12時上（縦置き） ： －48秒

※ ただし、精度は参考ですので、保証するものではありません。


ゆうパック（おてがる版）60サイズでお送りします。